ガーデン便り
2024年7月2日 6月のガーデン便り 「ササユリが咲きました」
6月のガーデン便りです。
本日はまさに梅雨の真っただ中という感じの雨です。このところ雨が結構続いています。この日曜日も降ったりやんだりでしたので、ガーデンに行くのはやめて、家でいろいろと構想を練っておりました。というより、少し休養しました。どうも疲れがたまってきたみたいで先週の26日(水)の朝、発疹が右腕に現れました。最初はダニにやられたのかと思いましたが、違いました。腕の神経に沿って現れた発疹であり帯状疱疹の可能性が高く、おととしの夏、私は帯状疱疹を発症していましたので、その病状はよくわかります。
ただし、今回の症状は非常に軽く、発疹は本日現在、自然治癒してきており、神経の痛みも全くありません。念のため、娘に電話して聞いてみましたが、本来は発疹が出たらすぐに医師の診察を受けるべきだけれど、すでに治ってきているのであれば大丈夫だろう、ウイルスは体の中に潜んでおり、疲れがたまるとまた発症するよ、ということでした。まあ、そういうことで、作業で疲労をためないようにすることが重要ということです。体調維持に気を付けて、ガーデンの作業をやっていこうと思っています。私事の話で大変恐縮です。
では、6月の開花状況をお話ししたいと思います。
まず、最初の報告はササユリです。山主のYさんから頂いたササユリの球根の植え付けを行ったことは、以前お話ししましたが、一株だけですが、なんと開花しました。写真をご覧ください。草丈は40cmぐらい、その先端につぼみが現れ、6月中旬に開花したのです。1cmにも満たない球根から、まさか今年開花するとは思いませんでした。花の直径は10cmもありません。ですがとても上品で可憐です。多くの愛好家が魅了されるのもよくわかります。
他のササユリ球根は、葉っぱがすこし顔を出したもの、茎が伸びてきて、ササのような葉っぱを何枚かつけたものもありますが、つぼみができて開花に至ったのは1株のみです。来年以降で、もっと花を咲かせるものが現れるように期待しましょう。そのためにはせっせと苗周辺の草取りをしなければだめですね。
ユリはこの他、スカシユリ、シャンデリアリリーが開花中です。
ガーデンのバラも何種類か花を付けました。
クィーンエリザベスは名前の通り大輪のピンクの花を付けました。正式な品種名はハイブリッドティーローズ クィーンエリザベスです。四季咲きのバラです。なかなか良い感じですので、ちゃんと世話をして、大きく育てたいですね。
ツルバラ安曇野は、今年、シュートにたくさんつぼみができて、濃い桃色の花がたくさん咲きました。去年までは、たいてい虫にやられて、まばらにしか咲かなかったのですが、虫害がほとんどなかったのが幸いしました。斜面の登り口の両サイドに配置していますので、ツルをうまく仕立てれば、存在感抜群のツルバラになると思います。
ツルバラ芽衣は、昨年よりもたくさんの花をつけるようになりました。シュートが何本も伸び、花芽がたくさんできたのが良かったのでしょう。ただ、私はほとんど世話ができていません。たまに、虫にやられていないかと見回っているとき、ツルバラのとげでいつもちくりとやられてしまいます。まるで、バラがもっと世話をしてくださいと言っているかのようです。
ハマナスは今年も良く咲きました。ただ、昨年と同様、マメコガネが6月に大発生し、今もその襲来は続いています。マメコガネは、バラの花が大好物で、花が咲くと同時にやってきて花びらをバリバリと食べていきます。ハマナスも例外なくマメコガネの襲来にさらされ、写真を撮るとき食われていない花を探すのが大変でした。
このマメコガネ、以前も書きましたがガーデンの厄介者です。バラの花のほか、ヒペリカムの花、ハクロニシキ、ネコヤナギ、ハギ、シラカバなどの葉を食べます。雑草のヤブガラシの葉も大好物です。私は、ガーデンを見回り、見つけ次第殺虫剤で駆除しているのですが、連日50匹以上の駆除が続いています。
バラ アドーアロマンティカは、鮮やかなローズピンクの色合いの大輪系バラです。世話を全くしていなかったので、花付きが悪い中、一輪咲いてくれました。
シュワブローズクラリス、今年も咲いてくれました。凛とした気品が漂う白薔薇です。
バラ アプリコットキャンディ、 だいだい色のこのバラ、虫の襲来で葉っぱがボロボロになりながらも花をつけてくれました。
バラ バーガンディアイスバーグ、 ワインレッドの花をつけるこのバラは、今年、苗を買ってきて植え付けたものです。四季咲きです。よくつぼみをつけ、見事に咲いてくれました。
キスゲ(ヘメロカリス)の仲間は、5月に続き6月もいくつかの種類が咲きました。黄色のものやだいだい色、赤色、様々です。7月にかけても次々と開花しますので、ガーデンの彩りに役立っています。
カンパニュラの仲間は5月~6月が最盛期となります。カンパニュラプンクタータウエディングベルは、北海道の「風のガーデン」のドラマに登場してくる品種です。今年は少し株が育ち、たくさん花を付けました。
これによく似たダブルのカンパニュラがあったのですが、他の植物の勢いに負けて株が衰退し、さらに追い打ちをかけるようにヨトウムシに食べられて、残念ながらほぼ全滅してしまいました。
カンパニュララティフォリアアルバは、苗をホームセンターで見つけて植えたものです。初めて咲きました。
ホタルブクロは桃色と白の二種があちこちで増えて花を付けました。群落を作って咲くので、見ごたえがあります。
ガーデンでは植物が群落をつくり、植物群と群との間で勢力争いが発生しています。
クラウンベッチはマメ科の宿根草です。春から夏にかけて、レンゲに似たピンクの花を咲かせながら生長します。生長力が強く、ツル性ですが地をはうというよりはふんわりと起き上がりながら生育範囲を拡張していきます。4年ほど前に1株だけ植えたのですが、ものすごい勢いで面積を増やし、他の植物を駆逐していきました。隣に植えていたゲラニウムはすぐに消えてしまい、さらに、そのさきに植えておいたカンパニュラ ラプンクロイデスも全滅。今はミソハギの群落と主導権争いをしています。こうなってくると、ツルをどんどん除去して、群落を縮小させるしかありません。雑草は生えなくてよいのですが、使い方を考える必要があります。
一方、湿地を好むウツボグサ、こちらは今年も咲いてくれましたが、雑草の勢いに負けて、群落が半分以下になってしまいました。やはり、雑草はまめに除去しなければだめですね。
その他、クレマチス、キンシバイ、ミソハギ、キンギョソウ、ペンステモン、クガイソウ、ベロニカ、アスチルベ、アジサイ、エキノプス、カワラナデシコ、シモツケ、エキナセア、モナルダなどが開花、もしくは開花中です。
6月8~9日に、父がガーデンにやって来ました。ただし、4月に来た時より、歩行能力がだいぶ落ちていました。ガーデンを一周しただけでかなり疲れた様子です。聞くと散歩はしているが、あまり距離は歩いていないようです。このままだと、秋はこっちに来ることができなくなるよ、と言い聞かせ、毎日の散歩をもっと時間をかけて行うようにお願いしました。秋に来ることができるかどうかは本人の努力次第です。92歳ですので、努力しなければ歩行能力は急速に衰えていくと思います。がんばってほしいと思います。
父は当日ゲンジボタルを見に行くことができなかったので、翌週、私がゲンジボタルを近くの川で撮影しました。カジカガエルの鳴き声をBGMに、ゲンジボタルが乱舞していました。
6月15日、ガーデンの南西に隣接して別宅を構えるSさん夫妻がお越しになりました。開墾当初からお世話になりっぱなしのSさんですので、別宅の掃除が終わった後でガーデンをご案内しました。アリウムが未だ咲いている頃にガーデンに来たのは初めてです。歩道の草刈りができていなかったので、長靴に履き替えてもらい、ガーデンを回ってもらいました。草だらけとは言え、点在して花は開花していますので、大変喜ばれていました。
6月下旬、雨が本格的に降る前に、チューリップとアリウムギガンチウムの球根を掘り起こしました。これを行わないと、球根は湿気で腐ってダメになります。クイーンオブナイトの球根を掘り起こしていると、植えた2カ所のうち、北側の1か所の球根が、ほとんどノネズミに食いつくされていることに気が付きました。数十球が被害にあいました。あちこちに穴が掘られており、草の間からは、ノネズミが子育てに使った巣も発見しました。枯草を丸めてうまく作ってありました。
もう1カ所の植え付け場所は、ほぼ大丈夫でした。来年用の球根として十分使えるので、乾燥させてから保管します。クィーンオブナイトは少し球根を追加購入しないとだめですね。ノネズミ対策は、有効な方法はありません。できるだけ草取りをし、ノネズミの隠れ家となる場所を減らすしかないですね。
6月29日(土)、以前コニファーブルーアイスを4本移植したという話をしましたが、残念ながら2本が枯れてしまったため、枯れた木を除去し、新たに購入したブルーアイスの苗2本を定植しました。背丈は70cmぐらいの苗です。ちょうどホームセンターで半額になっていたものを見つけたので、さっそく購入し植えました。枯れた原因は、事前の根切りなどの作業を本来ならば移植の半年以上前に行う必要があるのですが、それをやらずに思い付きで作業をしたためです。やはり、計画的に作業はすべきですね。今後は、注意して移植を行います。
北山友禅菊が6月後半から開花し始めました。7月半ばまで楽しめます。毎年株が増え、見ごたえが出てきました。
本日12時00分の気温は24.5℃、天気は雨です。午前中は小雨がぱらついていました。午後からは、さらに雨が強まる時間帯がありそうです。今日は何も作業はできないかな。
ではまた。
ブナの森ガーデンにて
小田木 一富
2024年6月4日 5月のガーデン便り 「花々の最も美しい季節の始まり」
5月のガーデン便りです。
6月に入りいよいよ夏の季節に入ってきました。5月から6月の梅雨入り前のこの時期は、ガーデンの花々が最も美しい時期といえるでしょう。借景の緑が色の濃さを増し、それぞれの花々が開花していく様は、まさに素晴らしいというしかありません。植物たちの喜びが、ひしひしと伝わってくるようです。ただし、まだまだ完成度の低いガーデンですので、全体を見渡すと、花の数は少なく、雑草は花々の美しさを遮るように繁茂しています。750坪のガーデンエリアを工事を行いながら1人で対応するのは、所詮、無理があります。とは言え、少しずつではありますが、前年よりもガーデン自体の質は上がってきています。とにかく、前に進めるしかありません。
では、さっそく5月上旬からの開花状況をお話ししたいと思います。
5月初め、ガーデンでひときわ目立つ白い花をつけるオオデマリ、結構背丈が大きくなりました。花数も圧倒されるほどです。白いモコモコとした花が枝にたわわに咲きます。この「テマリ」と名の付く花木は他にもいくつかあります。コデマリは一つ一つの花はかなり小さく、ユキヤナギに近い感じで花を付けます。よく、民家の庭先に植えられていますので、こちらの方がなじみがあるのではないですか。
5月後半になるとヤブデマリが咲き始めます。このヤブデマリ、美山の道の駅で売られていた背丈が10cmほどの小さな苗を買ってきて植えておいたものなのですが、いつの間にか、すでに私の背丈より大きくなっています。こちらの花は、ガクアジサイのような感じで花を付けます。
アメリカテマリシモツケは、葉の色が紫です。花はコデマリによく似ています。株が育ち、今年初めて花を付けました。
5月末にガマズミの花が咲きました。葉はヤブデマリによく似ていますが、花は小粒です。秋には赤い実をつけます。
キスゲ(ヘメロカリス)の仲間は、まずムサシノキスゲが真っ先に開花しました。ほぼ同じ時期に背丈の低いヒメカンゾウも開花しました。
5月後半からは、ニッコウキスゲが開花して、今、真っ盛りの状況です。ニッコウキスゲは背丈が高いですね。今年は暖冬だったため、このニッコウキスゲは葉が枯れずに越冬しました。なぜかはよくわかりません。キスゲの仲間は大半が冬は地上部は枯れて根っこだけで越冬するのですがね。6月からは、いろいろなヘメロカリスが咲き始めますので、これからのお楽しみです。
カリカンサスはロウバイの仲間です。ワインレッドの不思議な花を咲かせます。ホームセンターで見つけて植えたものですが、まだ、大きく成長はしていません。何とか毎年花を咲かせていますので、これからの成長に期待しましょう。
フランスギクはマーガレットに似た花をつける多年草です。ギザギザとした葉っぱを見れば、マーガレットとは全く違うことがわかります。この花、繁殖力が旺盛で、京北の道路わきや田んぼのあぜでよく咲いています。ブナの森ガーデンに咲くフランスギクは、京北の川の土手から採取した苗が、ガーデン内で増えたものです。5月初めから6月初旬まで咲き続けますので、ガーデンの春の花としては見栄えが良く、使い勝手の良い花ですね。
黄色の花をつけるセンダイハギは4月下旬から咲き始め、5月中旬に花は終了します。5月下旬からはムラサキセンダイハギが開花し、今現在も咲いています。黄色のセンダイハギとは植物分類上、別属とのことです。花はルピナスによく似ています。
モッコウバラをアーチ状にしてトンネルのようになったのですが、今年はまだ花つきが悪いですね。京都市内の各所の民家の庭先で見るモッコウバラはぎっしりと花をつけています。来年に期待ですね。
エントランスゾーンに植えたニセアカシアの木、今年は昨年よりも花の数が増えました。去年、シカに幹の皮を一部はがされてしまいましたので、今は防護ネットを幹に巻いています。これにより、シカは幹の皮を食べることができなくなりました。
ハクロニシキはヤナギの一種です。北海道の「風のガーデン」に点在するように植え付けられていたものが、大変美しかったので、苗を購入して植えたものです。今は当ガーデンのあちこちで、春の白い葉っぱをそよがせています。ガーデンの彩りとして、大変役立っています。
ジギタリス、デルフィニウム、キンギョソウ、オルレア、バーバスカムは、ガーデンの春の花としては重要で欠くことのできない花ですね。
バラは、相変わらず手入れが行き届いていません。ですので、なかなか、きれいな花をたくさんつけるというところまでは至っていません。その中で、ストロベリーアイスは毎年、よく花をつけてくれます。
ラベンダーには、大きく分けてイングリッシュラベンダーとフレンチラベンダーの2つの種類があります。当ガーデンではフレンチラベンダーの方がよく育っています。今年も花をつけてくれました。イングリッシュラベンダーの大株、かみさんが家のベランダで育てていたものを、ガーデンに植えこみました。果たして夏を越せるかどうかですね。様子を見守ります。
アリウムギガンチウムは、水やりを欠かさずに、さらに多肥にしないと、葉っぱが枯れてしまいます。今年はというと、昨年の反省をもとに連作障害を避けるため、前年とは異なる場所に植え付け、本日現在、紫色のボールのような花を風に揺らしています。
その他、ニオイツツジ、シャクヤク、ヒペリカム、ベニウツギ、カルミナ、京カノコ、アメリカフジ、カンパニュラメディウムなどが開花、もしくは開花中です。
5月23日(木)に、かみさんと一緒に、米原のローザンベリー多和田を訪れました。ローザンベリー多和田のバラの時期の入園料は2200円です。この値段に最初は驚きました。日本全国のガーデンの入園料で、この金額は最も高い方であると思います。ちなみに日本で最初のイングリッシュガーデンである長野蓼科のバラクライングリッシュガーデンのフラワーショーハイシーズン料金は1600円。私が良く行く長野大町のラカスタナチュラルヒーリングガーデンは1100円、北海道旭川の上野ファームは1000円、富良野の風のガーデンも1000円です。
入園料は各ガーデンがその固定費を維持するために設定するものです。ある程度の収益がなければ、ガーデンは維持できません。ガーデンの花々がきれいに咲き乱れることができるのは、その裏方さんであるガーデナーたちの努力のたまものなのです。ですので、ガーデンにみなさんが行ったとき、ちょっと高いとか思われることもあるとは思いますが、ガーデンで働く人々へのお礼として入園料を支払ってはどうでしょうか。そう思えば、自分の支払った入園料で、そのガーデンが維持されることになりますので、また、いつか来ようという気になってくると思いませんか。
ローザンベリー多和田は、ガーデンの他、ひつじのショーンなどの版権ものの展示、園内ミニ鉄道の運行、ひつじの放牧などを行っていることもあり、固定費が増加しているものと思われます。2200円を高いと思うか、適切と思うかですが、見事に手入れされたバラを見たら、私は来てよかったと思いました。バラはあちこちで美しく咲き乱れていました。さすがですね。バラのシーズンであれば、2200円の価値はあると思ったしだいです。
6月1日(木)、かみさんにブナの森ガーデンへ来てもらいました。かみさんが種まきしたコスモスの苗を植え付けるためです。かみさんが来たのは久しぶりです。かみさんが育てたヴィオラが、ガーデンの斜面できれいに咲いているのを見てもらい、満足しているみたいでした。
この斜面だけでヴィオラの数は24株×10トレイ=240株を使用しています。それ以外の場所にも植え付けましたので合計360株ぐらいの苗を家のベランダで育てたことになります。あらためてかみさんの努力には感謝したいと思います。花のない3月に花をつけるヴィオラはガーデンには欠かせない存在になっています。
本日12時00分の気温は19.3℃、天気は曇りです。午前中は小雨がぱらついていました。午後からは、冬の間、箱詰め保管していたダリアの球根を植え付けます。ほったらかしになっており本来はもっとはやく植え付けるべきですが、全く時間が取れませんでした。
ではまた。
ブナの森ガーデンにて
小田木 一富
2024年5月5日 4月のガーデン便り「ミズバショウとツツジ」
4月のガーデン便りです。
本日は5月5日、こどもの日です。この3日間はかなり気温が上がってきました。昨日京都市内では最高気温が30℃を超えました。ここ京北ではそこまでは上がっていませんが、それでも27.6℃を記録しています。これだけ気温が上がってくると、雑草の勢いが止まりません。
歩道の草刈りをしても、2週間もすれば草ぼうぼう。花を植えてあるところは手作業でしか草の除去はできませんので、ガーデンは草が生え放題、1人ではとても除草は間に合いませんので、もう、あきらめています。写真を撮る時だけ、その周辺の草取りをするようにしています。ただし、あまりに雑草が茂ってしまうと、宿根草がダメージを受け、下手をすると枯れてしまいますので、そこは日々の見回りの中で、適宜除草を行う必要があります。
4月6日、ガーデンから1kmほど南丹市に入ったところにある、「あたご山野草苑」の久世和義さんが、午前中、ふいにガーデンを訪れました。私がガーデン建物の南側の様子を見て回っているのを見つけて、軽トラをガーデン横の林道に乗り入れてきたのです。せっかく来園されたので、ガーデンを案内しました。
第一印象として「日当たりのよいガーデンですね」とのことです。山野草苑は山の斜面のスギ、ヒノキの植林はそのまま残し、あえて日陰の環境で山野草を育てています。当ガーデンと全く違う環境ですので、そのように感じられたのでしょう。私はまだ山野草苑には行ったことがありませんので、ササユリが咲く頃、一度訪問したいと思っています。
久世さんがサクラソウの咲いているのを見ていた時、私がサクラソウはそのままでは冬を越すことができない旨の話をしました。すると、久世さんいわく、クリンソウなら冬越しは大丈夫、とのこと。さらにサクラソウより湿地を好むとの話でした。私は、なるほどと思いました。クリンソウはサクラソウ科の植物です。花もサクラソウとよく似ています。ただし、花数は大変少なく、サクラソウのように花のボリュームを楽しむというわけにはいきません。はやり山野草ですので、花の美しさをじっくりと鑑賞するのがよさそうです。
私はもう一つ忘れていたことを思い出しました。クリンソウの苗を昨年、道の駅で購入し、植え付けをしていたのです。このクリンソウの苗、実は以前お話ししたSK先生が栽培した苗なのです。すぐに植え付けている場所を確認しました。雑草をかき分けると、クリンソウが生きていました。無事に冬越ししたのです。ただし、植え付けた場所は湿地ではありません。ある程度の乾燥は耐えたみたいですね。道の駅では今年もSK先生のクリンソウが販売されていましたので、追加購入して同じ場所に植え付けました。乾燥には注意しなければなりません。4月の終わり、クリンソウは開花しました。
ミズバショウのお話をしましょう。今年のミズバショウは8株で開花を確認できました。4月上旬より開花が始まりました。花は1番花より2番花以降の方がきれいですね。花が次々と咲くと同時に、葉っぱがどんどん大きくなっていきます。4月下旬に入ると花はほぼ終わり、葉っぱがさらに大きくなっていきました。種から増えたミズバショウは、開花株の周辺に植え替えています。まだまだ葉は小さく、開花までには時間がかかりますが、この苗たちは、純粋な京都産のミズバショウです。さらに数を増やして、ミズバショウのエリアを拡大したいと考えています。
4月20、21日に父が浜松からやって来ました。ミズバショウはまだ咲いていましたので、それを見て大変喜んでいました。今年92歳の父ですが、背骨がだいぶ曲がってきました。けれどもまだまだ歩けます。山のエリアにも登っていき、頂にあるミツバツツジに対面することができました。翌日曜日には、別の場所にあるミツバツツジの群落も山道を歩いて見に行くことができました。京都にいつまで来れるかはわかりませんが、ガーデンをもっと楽しんでもらいたいと思っています。
その他の花の4月の開花状況です。
ヴィオラは、かみさんが自宅のベランダで育てたものを植え付けました。3月~5月まで咲き続けますので、ガーデンの彩りに大変役立ちます。
ガーデンのブナは4月下旬に芽吹きました。山のエリアに植樹したブナも、同時期に芽吹きました。
ツツジはこの時期次々に開花します。いろいろな種類を楽しめます。
5月4日(土)Uさんとご主人のKさんが、はるばる群馬からガーデンにやって来ました。事前にメールをいただき、京北におじいさんの家(今はだれも住んでいない)があり、京北で何かできることはないかと思っていたところ、グーグルマップから家のすぐそばに私のガーデンがあることを知り、問い合わせしてきたのです。
11時頃、お二人が歩いてやって来ました。私はメールからは、60代の方かな、と想像していたのですが、会ってびっくり、30歳ぐらいの若い人たちでした。ガーデンエリアと山のエリアを案内した後、いろいろとお話しをしました。お二人とも、地図関係の仕事をしており、特にUさんは、自分で起業したとのことで、京都育ちですが今は群馬に住んでいるとのお話でした。里山に囲まれた田園風景がとても好きで、京北町の魅力も発信しながら、もう少し活気のある町になってほしいなと思っていたところ、私のホームページを見て、話を聞きたいと思ったそうです。私はガーデンの事業展開の話をし、荒れた山を何とかしていきたいと思っていることもお話ししました。
また、ご主人のKさんは、今、北海道に単身赴任されているとのことでしたので、それでしたら、ぜひ、旭川の上野ファームを見に行ってください、富良野の風のガーデンも良いですよ、と、北海道ガーデンを宣伝しておきました。
ガーデン事業は、田舎の活性化には、最適な事業形態だと私は思っています。ブナの森ガーデンが京北の活性化につながるよう、事業化を進めていきたいと考えています。お二人とは、せっかくのご縁です。いつか何かの仕事ができそうだと感じました。Uさんのような若い人たちが、過疎地域の活性化に少しでも興味を持っていただけるのなら、ガーデンにいつでも来ていただければよいと思います。ガーデンを見ていただき、田舎をどうすべきか、いっしょになって考えていきたいと思います。
本日12時00分の気温は24.4℃、天気は晴れです。かなり気温が上がってきました。午後からは、植え残していたユリの球根を植え付けします。本来は3月までに植え付けないといけないのですが、全く時間が取れませんでした。 球根はまだ、生きています。ダメもとで植えてみます。
建物の窓からは、北側借景の樹木に巻き付いたヤマフジが、花を咲かせているのが見えます。フジが咲くと、もうじき夏がやって来ます。
ではまた。
ブナの森ガーデンにて
小田木 一富
2024年4月6日 3月のガーデン便り「サクラソウ」
3月のガーデン便りです。
日本列島の北海道、東北、信州などの寒い地方を除いて、お花見真っ盛りとなってきました。今年のサクラは、一転、開花が遅くなりましたね。確かに、ここ京北では3月は寒い日々が続き、雪も降りました。一番遅い積雪は3月21日、この時は積雪3cm、昼には溶けてしまいましたが、ここまで遅い積雪はあまり記憶にありません。ただ、このところ、かなり気温が上昇してきましたので、サクラも一気に開花し始めています。
京都市内の桜の名所は、今、ちょうど満開です。この土日が、お花見のピークでしょう。どこも人だらけです。日本人は桜が好きですね。さらに輪をかけてインバウンドが大勢来ていますので、今日は祇園白川~八坂~清水あたりはすごいことになっていると思います。
さて、ガーデンのサクラはというと、真っ先に咲いたのは、やはり河津ザクラでした。苗を植えてから4年は経過していますので、背丈も3mぐらいになり、今年は良く咲いています。
次に咲くのは緋寒桜系のフジザクラ、オトメザクラです。エントランスゾーンのソメイヨシノの古木は、本日、開花し始めました。山のエリアのヤマザクラは、まだ苗が小さく、花をつけるまでには2年以上かかるでしょう。ガーデン北側に植えた、キンキマメザクラは、今年初めて花を付けました。ガーデンにはいろいろな種類のサクラの苗木を植えましたので、2~3年したら、結構、楽しめるのではないかと思います。
少し時間を戻します。3月上旬、ウメが開花し始めました。白と桃の各1本のしだれ梅と紅梅が1本、計3本のウメが良く花をつけるようになりました。
ウメは、和風の庭園っぽくなりますが、私は、花がきれいであれば、特にこだわりはありません。ウメが咲き、その根元にはスイセンが咲いています。その隣にはまだ咲いていませんがチューリップがだいぶ大きくなってきています。これも、一つの風景であると思います。要は、お客様が来園されたとき、その季節の花を楽しむことができればよいのです。
まだ、私一人でレイアウトをし、植え付けを行い花を咲かせていますので、かなりおおざっぱで粗削りです。雑草も次々に生えてくるので、除草が全く追いついていません。まあ、1年後ガーデンオープンに漕ぎつけることができれば、いっしょに働く若いガーデナーとせっせとガーデンのブラッシュアップをやっていることでしょう。そんなことを想像しながら、日々の作業に励むのも、また楽しからずや、です。
先々月のガーデン便りでお話しした紅色のサザンカですが、ホームセンターで半額になっていたベニサザンカを見つけましたので、さっそく購入してガーデンに植え付けました。ちょうどつぼみが残っており、植えたその週には花が開花しました。ホームセンターで長い間、売れ残っていたこのサザンカ、少し葉の色が悪くなっていましたが、きっと、このガーデンで見事に成長してくれると思っています。
3月は、植え替えの適期です。コニファーのブルーアイスが成長して、密になり過ぎてきましたので、4本を移植しました。いずれも2mを越える背丈となっています。うち、2本を建物南側のエントランスゾーンに移植しました。エントランスゾーンには防獣フェンスはありませんので、鹿が自由に行き来します。ブルーアイスは比較的匂いの強いコニファーですので、鹿は多分食べないだろうと予測し移植したのですが、やはり、鹿は全く見向きもしません。ちなみに、鹿はほぼ毎晩、この付近をうろちょろしています。作戦は成功しました。私はこのブルーアイスの匂いが好きです。みなさんもぜひガーデンに来たら、このブルーアイスの匂いをかいでみてください。
サクラソウは、春の花としては私の大好きな花です。何とかガーデンで育てられないものかといろいろと苗の越冬を試したのですが、結論、京北では越冬はできませんでした。温室が必要です。京都市内の私の自宅では、秋にこぼれ種から芽生えた苗をかみさんがベランダでせっせと育てて、3月にはたくさんのピンクと白の花を咲かせています。やはり、京北との気温差が3℃あることが原因と思われます。かみさんの苗を3月になってから、ガーデンに移植したのですが、1回目の植え付け直後、寒波が来て積雪3cmとなりましたので、サクラソウは大きなダメージを受けてしまいました。枯れずにはいますが、回復には時間がかかるでしょう。3月末にもう一度、別のサクラソウの苗を持ってきて植え付けましたが、こちらは、問題はありませんでした。
サクラソウの植え付けには、積雪があるかどうかを天気予報でよく確認して行わなければなりません。それともう一つ、サクラソウは湿地を好みますので、ガーデンで最も水はけの悪い場所に植え付けています。乾燥する場所では育ちません。理想は、植え付けた場所で花を咲かせ種を落とし、翌春にはまた花を咲かせるというのが良いのでしょうが、人手をかけて苗を育て、植え付けのタイミングを見計らって移植し花を咲かせるというスタイルも有りなのでしょうね。これも一つのノウハウです。
春真っ先にガーデンに登場したネコヤナギのモフモフ。このモフモフとした花穂(かすい)の表面に黄色の花粉が見えてきましたので、やがて花穂は枯れて落下し、ネコヤナギのモフモフの季節は終了しました。
ミズバショウの花芽が大きくなってきました。間もなく開花です。今年は8株の開花となりそうです。4月のガーデンの目玉となる植物ですので、大事に育てていきたいと思います。
その他の開花の状況は、以下の通りです。
本日12時00分の気温は17.1℃、天気は晴れです。かなり気温が上がってきました。
午前中ガーデンでは、ウグイスが盛んに鳴いていました。ホーホケキョは、心地よいBGMです。昼からは、かみさんが自宅のベランダで育てたサクラソウとビオラの植え付けを行います。
ではまた。
ブナの森ガーデンにて
小田木 一富
2024年3月3日 2月のガーデン便り「春の気配」
2月のガーデン便りです。
本日はひな祭りの3月3日、このところ真冬に逆戻りの天候が続いています。昨日の京北は一日中、雪が降ったりやんだり。ガーデンは最高気温が3℃、夕方4時には、1℃まで下がってきました。大変寒く、外の作業はつらいものがあります。作業の遅れを寒さのせい、天候のせいに、またしてもしてしまいます。
今朝は氷点下まで冷え込みましたが、日中は昨日より気温が上がりそうです。
しかしながら、春はすぐそこまで来ています。早春のガーデンで、真っ先に咲く花は、ロウバイです。満月ロウバイは、花の中心に紫褐色の輪が入るため「満月」の名が付けられたとのこと。最近は紫褐色の輪がなくても、丸弁で色の濃いものを「満月」として販売しているようで、ガーデンにあるロウバイもこの後者の方の品種みたいですね。
まだ、木は小さいのですが、昨年よりも花数が増えました。ロウバイはロウバイ科の植物です。蝋細工のように光沢があり、そのため蝋梅と書いて、ロウバイと呼ばれます。花は黄色、気品のある香りの花をつけます。寒くても花の香りで、心がさわやかになる花木です。
枝が折れやすいとのことで、ガーデンの満月ロウバイも、下の枝が折れてしまいましたので、剪定して、机に水を入れたビンを置いてかざりました。何とも良い香りが漂ってきます。
2番目に咲く花はリュウキンカです。リュウキンカは、雪解けとともに芽吹き始めるため「春の訪れを知らせる花」としても有名だそうです。湿地を好む、このリュウキンカは、3月〜4月にかけて次々と黄色の花を咲かせます。直径は3cmほど、地面の低い位置、高さは15cm~20cmほどで咲く花です。花後に金平糖のような見た目のかわいらしい種子をつけるのが特徴で、キンポウゲ科の特徴を顕著に表していますね。
開花期が終わり、夏が近づくと地上部の茎や葉が黄色く枯れてしまい、根だけで休眠期に入ります。私はこの休眠の現象を初めて見たとき、株が枯れてしまったものと勘違いしてしまいました。この状態で真夏を乗り切り、冬になると葉っぱが地上に芽吹きはじめ、雪が降り積もろうが、全く問題ありません。大変丈夫な植物ですね。
ネコヤナギは早春にモフモフとした花穂(かすい)を付けます。挿し木でよく増えるので、増やしたネコヤナギをガーデンのあちこちに植えました。今年も、モフモフが春を告げるかの如く、各枝にモコモコと開きました。
フキノトウは、フキの花です。以前、私の実家の庭にあったフキの根の一部を掘り取って、ガーデンに植えたものですが、地下茎が伸びてよく増えます。そういえば長野大町のラカスタ・ナチュラルヒーリングガーデンにも、あちこちにフキが植えられていました。
山菜として食用にするフキノトウは、結構にがいのですが、このにがさが良いという人も多いでしょう。写真のフキノトウは、すでに花が出てきてしまっていますので、ちょっと収穫には遅すぎます。
2月13日、山主のYさんが、愛犬のかんちゃんを連れて、夕方ガーデンにやってきました。1月のガーデン便りで、私が「ササユリの球根を14粒」いただいた、と書いたものですから、Yさんは「これはいかん」と思ったのでしょう。追加でササユリの球根を、どかっと、まとめて持ってきてくれました。ありがたく拝受し、さっそく、植え付けを行いました。
ササユリは気品に満ちた白色の花を咲かせ、日本特産の代表的なユリです。山や森林によく自生しています。中部地方以西の本州、四国及び九州に分布するユリ科の多年草だそうです。東日本を代表するユリがヤマユリなら、ササユリは西日本を代表するユリであり、葉の幅が極端に狭く、ササのように見えることからササユリと名付けられたとのことです。
ササユリの植え付けには肥料はやらないほうが良いと聞きましたので、山のエリアに行って、土壌の表層に堆積しているピートモスのような土壌を採取し、それを植え付け場所にすき込みました。計測してはいませんが、弱酸性の土壌となっていると思います。ササユリに適した土壌環境に整え、球根を植え付けました。ガーデン内の半日蔭の場所に3か所、山のエリアで1カ所、合計4カ所、100球ほどの球根を植え付けています。写真のように球根はまだ小さく、花が咲くまでには3年以上かかると思います。大切に見守っていきたいと思います。
さて、ガーデンの改良工事の状況ですが、まず、一本目の暗渠(あんきょ)工事を行っています。建物北側の北側ガーデンエリアとの段差部分に、昭和の工事でU字溝が設置され埋まっていたものを、以前、掘り起こしました。このU字溝は残念ながら排水路には使えない状態でしたので、ここにコルゲート管を埋め込み、建物東側の排水路に接続します。
コルゲート管の下には、ガーデンで掘り起こしたコンクリート片や瓦片を敷き詰め、高さ調整をしてあります。コルゲート管を敷設した後、その上にササなどの枝葉を重ねていきます。こうすることによって、泥がコルゲート管に入りにくくする効果があります。この上にさらに土を盛り、花壇とする予定です。まだまだ、労力がかかりますが、少しだけ前に進みました。
梅のつぼみがだいぶ膨らんできました。2、3日中には開花すると思います。春はすぐそこまで来ています。雑草も活発化してきています。忙しくなります。
本日12時00分の気温は5.7℃、天気は快晴です。少し気温が上がってきました。昼からは、コニファーのブルーアイスが成長して密集してきていましたので、そのうち1本を建物南側のエントランスゾーンに移植をしようと思っています。背丈は2.5mにもなっていますので、慎重に移植します。
ではまた。
ブナの森ガーデンにて
小田木 一富