ガーデン便り
2025年8月31日 8月のガーデン便り 「続・酷暑」
8月のガーデン便りです。
今日は8月31日、明日からは9月です。以前として毎日、暑い日々が続いています。本日の京都市内の予想最高気温は39℃、昨日迄の京都市の最高気温は、35℃を超えた猛暑日が51日、とのことですので、本日で間違いなく、猛暑日は52日となるのでしょうね。京北はというと、今日の朝10時ですでに30℃を超えていますので、おそらく、午後3時頃には35℃前後になると思います。
先日の24日、あやうく熱中症になりかけました。その日は、京都市内は曇りのち雨の天気だったのですが、京北は曇り時々晴れ、前日から準備していたマリーゴールドの植え付けを、午後2時から3時の間で作業を行っていました。ちょうど空模様はカンカン照りの晴れとなり、直射日光をまともに受けての作業でした。3時近くなる頃、なぜか、暑さをもろに感じて、のどの渇きがひどく、少しふらふらする感じでした。休憩は1時間おきにはとっていますので、まだ、次の休憩にはもうちょっとだけ時間がありました。けれども、これはたまらん、と思いすぐに作業は中断、ガーデン設置の温度計を確認すると34.9℃を示していました。暑いわけです。すぐに撤収し、建物内に避難、水分補給と塩分補給を行い、1時間ほど休みました。
4時の気温は32.0℃に下がったので、作業を再開。やがて夕方となり日陰も増え、ずいぶん作業がしやすくなりましたので、日暮れまでに何とか苗の植え付けを完了しました。ちなみに、その日の京都市内の最高気温は36.3℃でした。市内は天気が悪く少し雨が降ったこともあり、それほど気温は上がってはいませんでした。考えてみると、熱中症にはなっていませんが、あの状態でずっと作業を続けていたらと思うと、ぞっとしますね。とくかく、一人作業ですので、倒れたらとんでもないことになります。休憩は頻繁にとり、作業を行わなければならないと、痛感しました。
さて、ガーデンの一番大きいブナの木の葉っぱが半分枯れたと先月報告しましたが、その後の続報です。先月の報告では、枝を枯らした犯人はゴマダラカミキリと断定していましたが、実は真犯人は別にいました。枝の表皮を食いつくし、葉に水分と養分が行きわたらなくした真犯人、なんとシロスジカミキリでした。
ガーデンに来た時、必ずブナのパトロールを行っていたのですが、幹を観察していると、いました。8月9日、ブナの幹にとりついたシロスジカミキリ1匹を確認しました。カミキリムシの中では最大の大きさで、頭からお尻までの体長は6cmぐらいあります。直ちに駆除しました。その後、16日に1匹、28日に1匹、さらにシロスジカミキリがブナの幹で見つかりました。合計3匹のシロスジカミキリを8月に駆除したことになります。これは、異常な数です。猛暑が昆虫の世界にも変化をもたらしているような気がします。これまで、ブナがカミキリムシの被害を受けることはなかったのですが、今後、このような例は続くと思われます。
シロスジカミキリ以外にも、ガーデン内でゴマダラカミキリ4匹を駆除しました。ゴマダラカミキリはシロスジカミキリより一回り小さく、体長は4cmぐらいです。7、8月で合計7匹のゴマダラカミキリを駆除したことになり、やはり、こちらも異常な数ですね。
被害を受けたブナの状況ですが、カミキリムシにより枝の表皮を食いつくされたため、9割の葉が枯れてしまいました。ただ、希望はあります。幹から新たな芽があちこちから生えてきました。ブナ自身が、必死に生き残ろうとしているのです。写真をご覧ください。今後もパトロールを継続しなければなりませんが、ブナの頑張りを見守っていきます。
カミキリムシはブナ以外にも被害を与えています。昨日は、ハクロニシキの根元に穴があけられ木くずが噴出している状態を確認しました。これも殺虫処理を行います。ほかにもあるはずですので、山のエリアのクリなども含めて、確認する必要が出てきました。
ガーデンでは35℃を超えることはめったにありませんが、酷暑の間、水やりは大変重要です。先月も説明しましたが、ガーデンに来る日は、連日数時間水かけを行っています。散水ノズルを三脚に固定し、30分ぐらいずつ水をかけっぱなしにして、順次場所を移動しながら、水やりをするのです。水かけ無しでは、ガーデン内の植物の3割は枯れてしまいますので、まだまだ、9月に入っても水かけは続きます。
では、8月のガーデンの開花状況です。すでに、インスタグラムで動画をいくつかアップしておりますので、まだご覧になっていない方は、ぜひ、そちらも見てください。夕方のヒグラシのカナカナという大合唱は、8月14日頃で終わりましたが、インスタグラムのショート動画7本(7月19日から8月14日まで)のエンドは、ヒグラシの蝉時雨の音声を入れています。ヒグラシの鳴き声は、私は大好きです。癒されますので、ぜひ、ご覧ください。
以下の花の説明文は、インスタグラムの文面を再構成していますので、重複する分はご容赦ください。
ルドベキアゴールドストラムは、昨年8月に富良野の風のガーデンを訪れた際、群生しているルドベキアが見事でしたので、若いガーデナーに品種名を教えてもらい、苗を取り寄せて育てたものです。暑い真夏に優雅に揺れるルドベキアゴールドストラムは、すっかりガーデンの主役になりました。
フクシアは、下向きに咲く上品な花姿が印象的な、草丈が30~50cmの低木です。ガーデンに植えてある株は、頂き物の鉢植えでしたが、実はフクシアは、耐暑性、耐寒性ともに弱く、京北ではすぐに枯れてしまうだろうと思っていました。ところが、冬の寒さ、夏の暑さを超え、1年以上生存し、この夏、初めて開花しました。多分、品種はエンジェルスイヤリングだと思いますが、多少は暑さ寒さに強いようです。来年、また開花するかどうかは、この個体のがんばり次第でしょう。
ナツズイセンは、リコリス スクアミゲラともいい、ヒガンバナの仲間です。早春に球根からスイセンのような葉が出て夏前に枯れ、その後、株本から花茎がのび、8月の暑い盛りに淡いピンクの花を開花させます。
タイタンビカスは、赤塚植物園がアメリカフヨウとモミジアオイの交配選抜から創り出した植物です。暑さ、寒さに強く、花の直径は15cm以上と大型で、夏のガーデンを鮮やかに彩ります。ちなみに、モミジアオイは、花の形が明らかに異なりますので、違いを見てください。
レンゲショウマは、その花の可憐さから、森の妖精と呼ばれています。深山のやや湿った林床に見られる、日本固有の1属1種の植物です。ガーデンのレンゲショウマは、京北在住の昆虫学者SK先生が育てた苗を購入し定植したものです。バラの近くに植え付けました。レンゲショウマは日なたはだめですので、ハクロニシキの日陰に植えています。来年もまた森の妖精と呼ばれる花が咲いてくれるといいのですが、春に芽が出なかったら、SK先生に相談ですね。(SK先生はホームページのガーデン便りで何回か登場いたします。詳細はガーデン便りを遡ってください。)
夏のバラが今、結構咲いています。手入れは不十分ですが、草や笹に埋もれたバラを一株ずつ除草し、不要な枝を選定し、肥料を施して、少し状態は改善しつつあります。
ヘリアンサスレモンクィーンが今満開です。背丈は自分の背の高さを超えるくらいです。これでも、6月に一度刈込を行い、高さを抑えたのですが、ちょっと高くなりすぎですね。雨が降ると、倒れてきてしまいますので、もう少し高さを抑えたかったです。こぼれ種でもよく増えるので、当ガーデンの中でも最大面積を占めている、夏の主役です。
その他、ヤブデマリの実、サルスベリ、バーノニア、ノリウツギ、ハナトラノオ、ムクゲ、オオケタデ、ガウラ、ブッドレア、ミソハギ、ユーパトリウム、ロベリア、タリクトラム、オトコエシ、ラベンダーセージ、北山友禅菊などが結実、開花、もしくは開花中です。
本日12時の気温は32.0℃、さらに気温は上昇中です。熱中症にならないよう、注意してガーデン作業を進めていきます。
ではまた。
ブナの森ガーデンにて
小田木 一富
2025年8月2日 7月のガーデン便り 「酷暑」
7月のガーデン便りです。
8月に入りました。毎日、暑い日々が続いています。このところ京都市内は最高気温38℃~39℃が続いており、7月30日は、とうとう、39.6℃を記録しました。その日はガーデンには行っていないのですが、その前日、京都市内で38.7℃の最高気温であったとき、ガーデン設置の温度計で最高気温は35.0℃でした。ご覧のように京都市内よりガーデンは3℃低いのですが、それでも、35℃はきついです。夕立もほとんど降らない状況が続いていますので 、植物が枯れ始めました。
ライラックの白花の木がとうとう枯れてしまいました。順調に育って今年の春は花を咲かせていたのですが、残念です。サクラも一本が枯れました。
それから、ガーデンの一番大きいブナの木の葉っぱが半分枯れてしまいました。あわてて水やりをしたのですが、よくよく観察すると、水不足で枯れたのではありませんでした。カミキリムシです。枝の表皮をすべて食いつくされており、葉に水分と養分が行きわたらなくなっていました。しばらく、幹を観察していると、いました。ゴマダラカミキリです。比較的大きいカミキリムシですが、ときどき見かけるやつです。直ちに駆除しました。7月に入って3匹のゴマダラカミキリを駆除しましたが、まだ、他にもいるはずです。しばらく、このブナからは目が離せません。これ以上葉が枯れてしまうと、木自体が枯れることにつながります。ガーデンでの見回りを強化します。
酷暑の間、水やりは大変重要です。ガーデンに来る日は、連日数時間水かけを行います。水は地下水くみ上げですので、水道代は気になりませんが、散水ノズルを三脚に固定し、30分ぐらいずつ水をかけっぱなしにして、順次場所を移動しながら、水やりをするのです。これをやらないと、ガーデンの3割の植物はだめになってしまうでしょうね。
しっかりと地中の奥深くまで根が伸びている樹木は、雨だけでも大丈夫ですが、今年発芽したブナの苗などは、まだ、根が浅いので、水かけ無しでは、まず生きていけません。やはり、35℃はそれだけ厳しい暑さなのです。
当然、ガーデンでの作業も大変です。1時間草刈りなどをやっていると、汗びっしょりになります。直ちに建物内に退避して、水分を補給します。建物内は、まだ冷房設備はありませんが、少なくとも午前中は30℃以下ですので、外に比べれば快適です。それでも、午後2時を過ぎると、西日で壁と屋根が熱くなってきますので、建物内も暑くなってきます。こればかりは、仕方がありません。とにかく一人作業ですので、熱中症で倒れたら一巻の終わりになってしまいます。注意しながら作業を進めています。まだまだ、草刈り、苗の植え付けなどやることだらけですので、体調に留意して、無理をせず、行っていきます。
では、7月のガーデンの開花状況です。すでに、インスタグラムで動画をいくつかアップしておりますので、まだご覧になっていない方は、ぜひ、そちらも見てください。ガーデンでは、夕方5時を回ると、ヒグラシのカナカナという大合唱が始まります。5時を過ぎると少し気温が下がってきますので、夕暮れ時、心地よいカナカナの蝉時雨をじっと聞き入るのが、このところの私の楽しみです。インスタグラムのショート動画4本(7月19日以降)のエンドは、ヒグラシの蝉時雨を入れています。ぜひ、ご覧ください。
ユリは6月からいろいろ咲き続けましたが、シャンデリアリリー、テッポウユリ、 スカシユリ、オリエンタルリリー、コオニユリ、オニユリなどが、7月を彩りました。コオニユリとオニユリの違いは、後者は茎にムカゴが付いているので、識別可能です。
バラは、相変わらず手入れをしていない状況ですが、ルビーフラワーカーニバル、アプリコットキャンディ、サイラスマーナー、ストロベリーアイス、ハマナス、などがかろうじて咲いてくれました。
キスゲの仲間は、橙色のヘメロカリス、黄色のヘメロカリス、ヤブカンゾウが咲きました。ヤブカンゾウは動画でインスタグラムにアップしています。
7月後半の主役は、北山友禅菊とキキョウです。こちらも動画でアップしていますので、ご覧ください。
その他、フロックス、ヘリオプシス、リシマキア、ルドベキア、アナベル、エキナセア、キョウチクトウ、タニワタリノキ、ネムノキ、バーベナハスタータ、ボタンクサギ、ムクゲ、ダリア、西洋ニンジンボク、アメリカフヨウ、ガウラ、タリクトラム、タイタンビカス、ブッドレア、ピラミッドアジサイ、ガイラルディアなどが開花、もしくは開花中です。
7月15日撮影 フロックスと建物
本日12時の気温は30.6℃、天気は晴れです。さらに気温は上がっていきます。
午後は、熱中症に注意して、草刈りなどのガーデン作業を進めていきます。
ではまた。
ブナの森ガーデンにて
小田木 一富
2025年7月1日 6月のガーデン便り 「盗人はタヌキか、アナグマか?」
6月のガーデン便りです。
今日から7月です。梅雨は6月27日に明け、猛暑の日々が早くも到来してしまいました。やはり温暖化の影響で日本列島は少しずつ熱帯に近づいているような気がします。昨日は夕立のような雨が16時頃から降りましたので、植物にとっては恵みの雨でした。今日も京都は最高気温がどんどん上昇しています。
さて、表題の件、盗人(ぬすっと)とは何ぞや、ということなんですが、実はまた事件が発生しました。4月に咲いたミズバショウですが、開花後、種ができていました。何本かの種の穂が、ミズバショウの株からにょきっと突き出しており、私は、種の熟成を期待して待っていました。
ところがです。6月17日にミズバショウのところに行ってみると、種の穂がすべてなくなっていました。何者かが食べていったものと推察されます。去年も同様の事件が発生しており、私は今年は不織布で種の穂を覆ってしまおうかと迷っておりましたが、それをする前に、すべて取られてしまったわけです。 犯人はいったい誰なのか。
私は、5月の野ウサギ侵入があった経緯から、野ウサギを撮影しようと思い立ち、トレイルカメラを購入し、ブナの苗木を植えてある場所近くに、トレイルカメラを設置しておりました。このカメラに6月7日の夜、犯人が写っていました。写真を添付しますので見てください。夜の撮影のため、白黒の写真です。
写真を見る限り、タヌキか、あるいはアナグマのようです。正面の顔がはっきりと映っていれば、どちらかかは判定できると思いますが、動画を見てもよくわかりませんでした。両者ともに雑食性ですので、ミズバショウの種を食った可能性は非常に高いと思います。また、タヌキもアナグマも、私はこれまでにガーデン周辺で日中に見かけたことがあります。どちらにせよ、今年も種でミズバショウを増やすことはできませんので、また、来年に期待ということになります。残念無念ということです。
さて、6月19日(木)から22日(日)にかけて北海道ガーデンを訪ねて回ってきました。娘がこの時期、札幌で学会の発表があるのでいっしょに行きませんかと誘ってくれたのです。旅費は娘が出してくれて、さらに息子からもお小遣いをかみさんがもらいましたので、かみさんと二人で、ガーデンを巡ってきました。ただ、娘の方は本当は日曜日に上野ファームに一緒に行くつもりでいたのですが、あいにく、日曜日に学会報告が当たってしまい、残念ながら、北海道は仕事で来ただけになってしまいました。
北海道ガーデンは、5カ所を回りました。帯広周辺で3か所、富良野で1カ所、旭川で1カ所です。北海道ガーデンを回るためには車は必須です。千歳でレンタカーを借り、まず帯広に向かいました。予想より早く帯広に到着したので、駅から20分の十勝ヒルズに寄って行くことにしました。十勝ヒルズは、犬などのペット同伴OKのガーデンでした。広い敷地に花はまだ少なく、ローズガーデンもこれからという状況でした。
翌日、六花の森、十勝千年の森の2箇所に行きました。六花の森は、製菓会社の六花亭が運営するガーデンです。広大な敷地内に小規模な展示施設の建物を点在させて、ちょっとした美術館巡りをしながら敷地内を散策できるようになっていました。ハマナスなどがちょうど見頃となってるほか、渓流沿いにクリンソウが咲いておりましたが、ガーデンとしては花数は少なかった印象です。
十勝千年の森は、新聞社が経営母体となっているガーデンです。とにかく敷地が広く、とても1~2時間では回れません。ただ、花の咲くガーデンのエリアは、メドウガーデンとファームガーデンに限定されていますので、それを見るだけなら、短時間で済みます。まあ、北海道は広いなあ、という感覚を切実に感じるガーデンでした。森の中を歩くフォレストガーデンは、参考になりました。
翌日、青い池を見てから富良野の風のガーデンに行きました。風のガーデンは、ドラマ「風のガーデン」を撮影するために、ゴルフ場をつぶして造ったガーデンです。設計は上野ファームの上野砂由紀さん、いつ行ってもすばらしいの一言に尽きるガーデンです。
昨年から変わっていたのは、メインの歩道が舗装されていたことです。茶色に塗装?されておりましたので違和感はありません。車椅子などでの散策には良いと思います。ドラマ撮影後に増設された薔薇の庭にも行ってきました。ちょうどさまざまのバラが見ごろとなっており、それはすばらしいものでした。また、野の花の散歩道には、ルピナスが咲き乱れており、これも北海道ならではだなあ、と感じました。
午後に旭川の上野ファームに行ってきました。本当は翌日に行くつもりだったのですが10時過ぎまで雨の予報だったため、早めに行くことにしたのです。上野ファームにつくと、音楽祭をやっている最中でした。地元の音楽グループが入れ代わり立ち代わり演奏をしたり歌を歌っていました。なかには、のど自慢の鐘二つレベルのボーカルもあり、これは騒音でしかないなと思うものもありましたが、まあ、盛況でしたね。
ガーデンの方は、さすがに上野ファームです。北海道ガーデンの中でも抜群の花数、花のすばらしさを堪能できました。バラもあちこちに点在しているのですが、手入れが行き届き、たくさんのバラが咲き乱れていました。
上野砂由紀さんはというと、相変わらず元気で働いていました。ガーデナーに指示して、コスモスなどの一年草の苗をガーデンの空いた空間に植え付けしていました。帰りがけ、偶然に上野砂由紀さんが目の前を通り過ぎましたので、一つだけ質問してみました。
「砂由紀さん、あの壁にいっぱい貼ってあった花の写真は、雨が降るから撤去しちゃったんですか?」
「あるよ。」と元気な返事。
別の壁に貼ってあることを教えてくれました。
「あそこは、ソファーを置いたので、邪魔になるから。」ということでした。
最後に上野ファームの売店で、フリーペーパーのNIWAZINE(庭人)をゲットできました。編集内容はさすがに上野ファームですね。ガーデナーの方が編集したそうですけれど、中身の濃い内容とイラストです。
では、6月のガーデンの開花状況です。すでに、インスタグラムで動画をいくつかアップしておりますので、まだご覧になっていない方は、ぜひ、そちらも見てくださいね。
6月上旬までは、アリウムギガンチウム、ウツギ、カンパニュラメディウムなどが盛況でした。
バラは、相変わらず手入れをしていない状況で、ストロベリーアイス、マリーヘンリエッテ、ハマナス、ツルバラ芽衣、ブルームーン、などがかろうじて咲いてくれました。ツルバラ安曇野は今年は花付きが悪く、まともに写真が取れていない状態です。手入れがないことによる弊害ですね。やはりバラは、しっかりと手入れが必要だということです。
キスゲの仲間は、ニッコウキスゲ、黄色のヘメロカリス、赤系のヘメロカリスなどが順次咲いています。
ホタルブクロも今日現在もまだ咲いています。
6月後半は、クガイソウ、アスチルベ、シモツケ、アジサイ、などが開花。これからは、ヘリオプシス、北山友禅菊、ルドベキア、エキナセアなどが開花の中心になっていきます。
本日12時の気温は31.7℃、14時には33℃になってきました。暑いです。熱中症に注意して、ガーデン作業を進めていきます。
ではまた。
ブナの森ガーデンにて
小田木 一富
2025年6月1日 5月のガーデン便り 「植物が成長する5月」
5月のガーデン便りです。
今日から6月です。いよいよ梅雨の季節に入ります。昨日、今日と、梅雨入りではないですが、ガーデンは曇り空で時々小雨。なんとなくすっきりしませんね。午後からは晴れるという天気予報ですが、どうでしょうか。
さて、5月を振り返ってみますと、いやはや、雑草の勢いのすさまじさを感じます。5月は何といっても植物の成長が最も著しい時期です。植えてある植物も、どこからともなく生えてくる雑草も、恐ろしいほどのスピードで成長します。
4月のガーデン便りで紹介したヴィオラのパッチワークは、すでにスギナに覆いつくされています。密集させてヴィオラを植え付けたので、人が足を踏み入れることができません。一方、スギナは、地下30cm以上の深さに地下茎が張り巡らされており、植え付け前の除草では、まず、除去は不可能。そのため、じわじわとヴィオラの間からスギナが芽を出し、1か月もたつと、ヴィオラの高さを超えてきました。こうなると、足を踏み入れてスギナを摘み取ることもできないので、ヴィオラの花の終わりを待って、すべてを根こそぎ除去してから別の苗を植える、ということにせざるを得ません。
4月のインスタグラムの動画で登場した、モチツツジの小道は、ツツジだけでなく、ハギを間に植えてあるのですが、ツツジが咲き終わるとハギの茎がぐいぐいと伸びてきます。すでに高さ1mを超えて、小道側に道をふさぐ形で傾いてきましたので、昨日、ハギの株の3分の1の茎を根元から刈込みました。毎年のことですが、刈込みを行わないと、とんでもない状態になります。雨が降ろうものなら、倒れたハギで、完全に道がふさがれてしまうのです。
雑草はスギナだけではありません。カラスノエンドウ、ヨモギ、ドクダミ、ササ、ヒメジョオン、クローバー、等々、どれも、ちょっと何もしないと、あっという間に、ガーデンを覆いつくしていきます。雑草の成長するスピードは、私一人が草取りをする量をはるかに上回るものです。ですので、私だけではどうしようもありません。対策としてはただ一つ、人手をかけての人海戦術しかありませんので、今は、人を雇う余裕もなく、ただ、ひたすら黙々と一人で草を除去するのみですね。
せめて歩道だけでも防草シートを敷いた上に砂利を敷き詰めたいのですが、まだ、植え付けていない苗がたくさんあり、その余裕がありません。どこかでテスト的にすでに購入済の防草シートの能力を検証するつもりですが、もうちょっと先の話になります。
どうもできていないことの言い訳を言っているだけになってしまいました。申し訳ありません。話を開花状況に変えましょう。
5月に開花したツツジの仲間は、レンゲツツジ、モチツツジ、エクスバリーアザレア、ニオイツツジです。エクスバリーアザレアは、何か名前がかっこいいですね。偶然ホームセンターで苗を見つけたので、早速購入して植え付けたものです。花も写真の通り、大変上品な花でした。ニオイツツジは、その名の通り、そばに近づいてにおいをかぐと、甘い香りがします。ニオイツツジの開花でツツジの時期はほぼ終了、現在はガーデンのツツジの小道でサツキが咲いているだけとなりました。
テマリの仲間は、オオデマリ、スノーボール、コデマリ、ヤブデマリ、ガマズミが開花しました。オオデマリは樹形がかなり大きくなってきましたので、白い花が満開となると迫力があります。ヤブデマリも大きく成長してきました。苗を植え付けたときは背丈が10cmほどでしたが、花をつけるようになると見事なものです。ガマズミはだいぶ花をつけるようになりましたので、花後の赤い実がどれだけ結実するか楽しみです。
キスゲの仲間は、ヒメキスゲ、ムサシノキスゲがまず先行で開花しました。これから、ニッコウキスゲ、ヘメロカリスが順次開花していきます。
西洋シャクナゲは4月から開花していましたが、種類がいろいろあり、開花期間は5月までずれ、5月中旬で開花は終了しました。株自体が大きくなってきましたので、また来年が楽しみです。ただ、冬の時期の大雪で枝が折れる場合が結構あり、要注意です。
めずらしい小木の花としては、マグノリアとカリカンサスがあります。マグノリアはモクレンの仲間で、写真の品種はフェアリーマグノリアです。カリカンサスはワインレッドの花が特徴的です。ロウバイの仲間です。
ガーデンには自生種のグミが何本かありますが、この花が咲く時の芳香はとても魅惑的です。小さな白い花が盛りだくさん咲くのですが、甘い香りがあたり一面に漂います。ただ残念ながらこの自生種のグミはほとんど結実しません。
センダイハギは、黄色の花をつけるセンダイハギ(通称:キバナセンダイハギ)と紫の花をつけるムラサキセンダイハギがあります。分類上は属が異なるようですが、前者は地下茎を伸ばしてどんどん増えていくのに対し、後者は株立ちとなり地下茎では増えません。ムラサキセンダイハギの種ができますので、昨年種まきをトライしてみましたが、全く発芽せず失敗、今年もチャレンジしてみます。開花はキバナが早く開花し、ムラサキは5月下旬開花です。
チョウジソウは、星形の淡いブルーの花が特徴的です。キョウチクトウ科の宿根草です。だいぶ株が増えてきましたので、秋に株分けしようと思っています。背丈は程よい高さとなりますので、ガーデンにはうってつけの花ですね。
バラは、ブルームーン、モッコウバラ、ナニワイバラ、サイラスマーナー、マリーヘンリエッテが開花。ナニワイバラは、もともとバラアーチのメインに仕立てようと植えたものですが成長がすさまじく、その割りには開花は1週間しか持たないので、バラアーチから撤去し、防獣フェンスの脇に移植したものです。植え替え後、一時期だいぶ弱っていましたが、再び開花しました。やっぱり強いツルバラです。バラアーチには、現在マリーヘンリエッテが主役として開花中です。
ケマンソウはハート形の花を連なってつける、ユニークな宿根草です。花の形は最初はまさにハートの形をしていますが、開花すると下の部分が割れて、両側におさげのように開きます。撮影時期をずらして2点の写真を添付しますので、違いを見てください。
その他、アジュガ、ヤマブキ、ゲウム、ニセアカシア、シャガ、デルフィニウム、ジギタリス、キンギョソウ、シャクヤク、タニウツギ、オダマキ、アメリカフジ、オルレア、アリウムギガンチウム、などが開花、もしくは開花中です。
5月3日4日と娘がガーデンでキャンプをしたいとやって来ました。今年は4月に職場が姫路から丹波に変わりましたので、ガーデンまでは車で1時間半で来れます。4日の朝、ドローンでガーデンを撮影してもらいましたので、空撮写真を添付します。動画は、インスタグラムにアップしていますので、そちらもご覧ください。ドローンの操縦は、私はまだ習得していませんので、近々やってみようと思っています。
さて、野ウサギのその後ですが、5月の上旬に複数回ガーデンに侵入したようです。ガーデンのあちこちに野ウサギのフンが残されていました。1回野ウサギに食われたブナの残っていた新芽がまた食べられました。その他、山のエリアに植えていたササユリが食べられてしまいました。今年開花しそうだったのですが残念です。その後現在に至るまで、野ウサギは来ていません。
山のエリアに植樹したブナの苗木が3本食べられてしまった話を前回しましたが、食べられたブナから新しい葉が生えてきました。根が結構成長していたようですね。写真を添付します。右側が食われたブナ、左側の金網に囲まれた苗は新たに移植した苗です。まさか芽吹くとは思っていませんでしたので、今秋、別の場所に移植します。
ウグイスはまだガーデンに来ています。午前中の小雨は上がっています。12時の気温は16.2℃、昼からは草取りと苗の植え付けを引き続き行います。
ウグイスの動画もインスタグラムにアップしています。ぜひご覧ください。
ではまた。
ブナの森ガーデンにて
小田木 一富
2025年5月1日 4月のガーデン便り 「野ウサギが来た、こらぁ!」
4月のガーデン便りです。
今日から5月です。ガーデン日和といいますか、花々を見るには絶好の季節ですね。借景の山の新緑は大変美しく、日々色が変化していく様は、淡い黄緑色のグラデーションとなって、見る者の心を癒していきます。
さて、ガーデンはというと、いやはや、全面的にスギナなどの雑草が大繁殖してきました。いつものことですけど、やはりこれを除去するのは、一人では到底無理です。カメラを向ける周囲だけ、せっせと雑草を摘んでから撮影したり、あるいは苗を植える場所だけは、雑草を根こそぎ除去してから苗を植える、ということの繰り返しです。
ただ、根こそぎ雑草を除去したとしても、1か月もすればまた雑草だらけになります。こればかりは、どうしようもないですね。 ただし重要な苗だけは、あまり雑草を茂らせると苗が弱って枯れてしまいますので、そこだけは日々の見回りで注意しています。これまでも何回も枯らしてしまいましたので。それでも、いつの間にか消えてしまった苗が今春もあります。
さて、みなさんは、インスタグラムの投稿は見ていただけましたか? お知らせにも記載した通り、4月18日より、インスタグラムの投稿をスタートしました。主に動画を中心にタイムリーに投稿をしていきたいと考えていますが、その時点の花々の状況をお楽しみいただければと思っています。
4月29日に投稿したリール動画(インスタグラムのショート動画)はたかだか1分30秒ですが、撮影に2時間、編集に2時間もかかってしまいました。音楽は私が最も好きな服部克久の「夏は緑」という楽曲を入れました。JASRACなどによる著作権管理楽曲は、インスタグラムが包括契約をしていますので、インスタグラム上で自由にセレクトしてBGMに使えますが、時間は1分30秒しか使えません。また、音楽挿入時、エンドはぶつ切りになりフェイドアウトはできませんので、ちょっと心地よくはないですね。さらにアップロードの際、データは圧縮されますので、どうしても音に歪が発生します。まあ、雰囲気を楽しんでいただければよいと思います。
この29日アップの動画、私は最も上出来と思っているのですが、視聴数が全く伸びません。ぜひ、まだ見ていない方、インスタグラムを覗いてください。インスタグラムのアカウントをまだ取得していない方、簡単にアカウントは取得できます。本名でなくてもかまいません。適切に名前を作ってアカウントを取得してください。インスタグラム上で「ブナの森ガーデン」を検索していただければ、これまでに投稿したリストが出てきます。画面上でミツバツツジのクローズアップ画像をタップすれば、上記動画がスタートします。画面の右下にスピーカーのようなマークがありますので、音が出なければ、そのマークをタップすれば、音声が流れます。もし、それでも音が出なかったら、スマホの設定で音設定の画面を開き、メディアの音量がゼロになっていると思いますので、それを変更してください。(もちろん、スマホだけでなく、パソコンでも見ることができます。)
ぜひ、インスタグラムの投稿を見てくださいね。さらに、「いいね!」を入れていただければ、大変励みになります。
さて、話は変わって、表題の件です。みなさん、事件が発生しました。野ウサギがガーデンに侵入したのです。
4月1日に山のエリアを巡回していると、2023年に植林したはずのブナの苗がないことに気が付きました。よくよく確認すると、ブナの幹が地上から10cmぐらいのところでスパッとナイフでカットしたかのように切られて、上が全くなくなっていました。どういうことなのか、いろいろとあたりを見て回ると、近くのブナ、合計3本が同様に切られていました。1本は30cmぐらいのところ、残り1本は10cmのところで同じようにカットされていました。カットされた枝は一切残っていません。
周辺をさらに探すと、痕跡がありました。見かけないフンです。シカのフンとは違い、シカのものより一回り大きく、色は、薄茶色、饅頭型の形をしています。比較のため写真を添付しますので、見てください。
犯人は野ウサギです。シカは黒っぽく俵型の形状のフンですが野ウサギのフンとは少し違いがあることがお分かりと思います。野ウサギがガーデンにやって来たのは大変うれしく思います。絶滅が心配されている野ウサギですので、可能な限りガーデンに来てほしいのですが、今回ばかりは、「こらぁ!」と言わざるを得ません。せっかく試験的に植林したブナの苗木、4本中3本を食べていったのですから。
さらに調べると、ヤマザクラの苗木1本も下側をかじられていました。 対策として、山のエリアの防獣ネットと地面との隙間を確認し、多分ここが進入路だなという箇所2箇所をアンカーでふさぎました。また、残り1本の無事な苗は金網で覆いました。食われた3本の苗木の隣に、ガーデン側苗床で育成中のブナの苗3本を移植し、こちらも金網で覆いました。
その後、しばらく様子を見ていましたが、4月17日に今度はガーデンエリア側で野ウサギ被害が発生したことを確認しました。やはり、被害を受けたのはブナの苗木です。ブナの苗木5本がかじられていました。幸い、やられたのは成長の悪い細い苗木でした。今秋、山のエリアに植林する予定の大きく成長してきた苗は無事でした。
山のエリアとの境界の防獣ネットの隙間を見回り、怪しいところの対応を行いました。ただ、防獣ネットの網目は10cm角です。ここをくぐられてしまうと、野ウサギを遮断する手立てはありません。イタチなどは細身ですので、簡単にくぐり抜けてガーデンに侵入し、ミミズなどを探して回っています。
野ウサギには来てほしいのですが、ブナの味が気に入ったようですので、またやってくるのでしょうね。痛しかゆしというやつです。
4月29日、道の駅ウッディ京北に立ち寄り、SK先生がクリンソウの苗をそろそろ出品する頃だろうと苗を探していると、何とその場に、SK先生が軽自動車で乗り付けて、クリスマスローズの苗を2トレイほど、出品のためやって来ました。SK先生は、現在76歳、以前のガーデン便りにも記載していますが、京北在住の昆虫学者で自宅でクリスマスローズや山野草の苗を育てて、道の駅に出品しています。
SK先生にお会いするのは久しぶりです。いろいろと話をすると、昨年は病気を患い、入院した時もあるとのこと、今は回復されて、元気そうでした。SK先生に野ウサギの話をすると、大変驚かれていました。京北でも野ウサギが出たという話は2カ所ぐらいしか聞いたことがなく、ものすごく貴重な出来事ですね、とのことでした。
クリンソウについても聞きました。クリンソウは種まきでよく増え、発芽率も良好とのことで、実際に頼まれて1000株ぐらい植え付けに行ったこともあるそうです。ただし、雑草に弱く、雑草が繁茂した状態では、せっかく群落をつくっても翌年には消えてしまうそうです。
現在ガーデンには今シーズンSK先生の出品されたクリンソウの苗8株を植え付けました。昨年咲いていたクリンソウは、植え付けた場所が乾燥する場所で雑草に覆われていましたので、今年は芽が出ませんでした。今回は湿地帯に植え付けましたので、乾燥対策は大丈夫です。雑草に注意し、群落をつくるように種まきをして育てようと思います。
4月の開花状況です。
すでにインスタグラムに投稿していますので状況はお分かりと思いますが、4月上旬にミズバショウが開花し始め、下旬になると花は終了しました。
一方、ウメとサクラですが、4月5日頃がウメが満開、4月12日には、エントランスのソメイヨシノが満開となりました。
今年初めての開花となったのはカリンと利休梅(リキュウバイ)です。
また、これも珍しい原種八重咲スイセンフォンシオンVanSionが見事に開花しました。
4月19日撮影 原種八重咲スイセンフォンシオンVanSion
また、昨年からやり始めたヴィオラのパッチワーク、今回はかみさんが育てた500株のヴィオラを使って、斜面の花壇にパッチワークをつくりました。大変色鮮やかに、ガーデンに彩りを添えています。かみさんには感謝、感謝です。
ブナは4月後半になって続々と芽吹きし始めました。今年発芽した苗は、ポットからガーデン内の苗床へ移植しました。
その他、バイモユリ、ヒメコブシ、ツバキ、ユキヤナギ、レンギョウ、キイチゴ、ケマンソウ、西洋シャクナゲ、センダイハギ、レンゲツツジなどが開花、もしくは開花中です。
今日の午前中はまだ、ウグイスの鳴き声を聞いていませんが、ガーデンには、1羽のベテランウグイスともう1羽の新米ウグイスが交互に来ています。新米ウグイスは、まだ、うまく鳴けません。こちらに来た頃はホー、と鳴くだけでした。それがおとといにはホーホケとまで鳴けるようになってきました。今日あたりは、ホーホケキョと鳴いてくれますかね。
本日12時の気温は、20.7℃、午後は、歩道の草刈りを刈払い機で行います。
ではまた。
ブナの森ガーデンにて
小田木 一富