ガーデン便り
2025年10月2日 9月のガーデン便り 「続・事件」
9月のガーデン便りです。
本日は10月2日、9月半ば頃までの残暑からは打って変わって、かなり涼しくなりました。京北の最低気温は20℃を下回り、朝、ガーデンの建物に入ると、室温が十数度になっていますので、長袖でちょうどよい温度です。午前中にガーデンを回ると、キンモクセイの香りが漂っていました。もう、そんな時期なのですね。
さて、表題の件、サスペンスドラマのタイトルみたいですが、実際に警察が来る羽目に陥りました。
9月22日(月)AM9時半頃、私はアルバイト先のデイサービスの送迎車を運転中でした。突然、ポケットの携帯電話が鳴りました。ご利用者お迎えの運転中であり、電話には出ず、すぐにプチッと電話を切ったのですが、ご利用者の施設入室が完了して、しばらくすると、再び電話があり、これはただ事ではないなと電話に出ると、京北の警察からでした。
私のガーデンのフェンスにオジカが引っかかり、暴れて危険であったため、地元猟友会に出動してもらい、オジカを駆除した、とのことでした。シカによって防獣フェンスがかなり損傷したということで、あとの対処をよろしく、との内容でした。
私は警察官にお礼を言って、電話を切ったのですが、ちょうどその日は11時から車の1年点検、その後、1週間分の買い物、15時からは午後の送迎アルバイトをしなければならないため、日中は、全く京北に行く時間がとれませんでした。さらに、その夜は、浜松の父の状況がかなり悪くなってきたため、浜松に車で行くことにしていたので、翌日に京北へ行くこともできません。
結局、京北に行ったのは9月24日(水)、午前のアルバイトを終えて直ちにガーデンに行き、状況を確認しました。 ガーデンに来た私の車を見て、南隣に住むKさんがかけつけてくれました。
Kさんが京北の交番に通報してくれたのです。Kさんによると、22日の明け方3時過ぎからオジカがフェンスのネットに引っかかっていたようだ、とのこと。Kさんが気が付いたのは、朝の5時半過ぎ、ネットにからまって暴れるオジカを見つけて、網を外せるか試みようとしたそうですが、とても危険なため、近寄ることもできず、その後警察に連絡したとのことです。出動した猟友会も、シカの暴れ方が激しく、電気で殺処分する道具が使えず、その場で撲殺し、直ちに血抜きをして、持ち帰ったそうです。
まあ、かわいそうだったが、どうしようもないね、とKさんは言っていました。
シカは最近、京北でも数を増やしています。私もガーデンに来ると数頭のシカの群れに遭遇したりします。実際、昨年は、シカの猛襲に会い、ガーデン内部に侵入されて、キスゲ類やギボウシ類の植物を食い荒らされました。
推測ですが、今回、防獣フェンスを飛び越えて、ガーデンに侵入しようとしたオジカは、去年の秋にガーデンに侵入した若いシカだったのではないか、と思います。ニッコウキスゲの味を覚えており、フェンス越しにガーデンのニッコウキスゲの葉っぱが、青々と茂っているのを見て、また、ガーデンに侵入しようとしたのだと思います。
ところが、体は大きくなっているし、つのは生えてきて、網に引っかかりやすくなっていますので、ガーデンの防獣フェンスを飛び越えようとしたのですが、足がフェンスの上のネットにからまり落下し、フェンスもろとも倒れて網に完全にからまってしまい、身動きが取れない状態で数時間経過後、お陀仏となったのでしょう。
オジカは、からまって暴れている時間、腹がすいたのか、周囲の木々の葉っぱを食べていました。ただし、2mほど離れたところにあるニッコウキスゲの葉っぱは無傷で残っていました。さぞかし、無念であったと思います。
ガーデンの被害の状況ですが、防獣フェンスが10mの幅で倒れて支柱の鉄アングルが3本、根元から折れていました。私は直ちに、復旧作業に取り掛かり、支柱3本を交換、損傷した金網の部分に8mほどの幅の防獣フェンスを重ねて取り付け、とりあえず応急処置を施しました。
ガーデンの植物の被害はありませんでした。オジカが暴れて鳴き叫んでいたので、他のシカはそのことを知ったのでしょう。現場に近寄ることもなく、2日間が経過し、他のシカがガーデンに侵入することはありませんでした。
以上が事件の顛末です。オジカを一頭駆除できたのは幸いでした。シカは増えすぎの状況ですので、周囲の森林被害が増える一方です。国の対策として、シカの駆除をしっかり考えていただきたいと思う次第です。地方の猟友会にお願いするだけでは、シカ対策はだめです。駆除、食肉としての活用、など一連の流れを構築して、シカの増えすぎを是正する施策の立案が必要です。
さて、それ以外にも、小さな事件は発生しています。
9月13日(土)、またしてもゴマダラカミキリを発見、ブナ以外の木の皮を食べていましたので、直ちに駆除しました。
また、9月14日(日)には、植えたばかりのバラの苗1本がなくなっていることに気が付きました。よくよく確認すると根元近くまで幹がかじられていました。この痕跡はノウサギの仕業と思われます。ただし、決定的な証拠であるノウサギのフンは、周囲から発見できませんでした。バラは、その後、根元から再び芽が出てきましたので、一安心です。
ノウサギ、タヌキは、時折ガーデンに侵入してきます。まだ、その侵入ルートを特定できていませんので、もう少し、ルート探しに時間をかけなければなりません。
では、9月のガーデンの開花状況です。すでに、インスタグラムで動画をいくつかアップしておりますので、まだご覧になっていない方は、ぜひ、そちらも見てください。以下の花の説明文は、インスタグラムの文面を再構成していますので、重複する分はご容赦ください。
ナツズイセン、リコリス スクアミゲラは、8月12,14日のインスタ動画でアップしたのですが、別の場所(梅の木の下)に植えていた球根が再び開花しました。日陰ですので開花時期がずれたのだと思います。
また、ムクゲは7月から9月にかけて花を咲かせます。盛夏を彩る代表的な花木で、暑さ寒さに強いので、ガーデンのあちこちに植えています。
9月に入って咲き始めたオトコエシの花にアオスジアゲハがやって来ました。アオスジアゲハは、普段それほど見かけないチョウですが、オトコエシが気に入ったのか、あちこちのオトコエシの花をめまぐるしく飛び回っていました。オトコエシはオミナエシの仲間の多年草です。花の色は白、無数の小さな花の集団が、散房状につきます。一方、オトコエシと同じ仲間、黄色の多数の小さな花をつけるオミナエシは7月から咲き始めていますので、すでに終盤の状態です。
ガーデンに植えたイチジクが今年初めて実をつけました。実をつけるまで、数年かかっています。食べてみると、まあまあの甘さでした。
一方、ハニーサックルのアーチに一緒に植えておいたブドウの巨峰が、こちらも初めて実をつけました。一時は枯れてしまったような状態でしたが、よくぞ実をつけたものです。
ハマナスの実は、食べることができるそうですが、味がよくないのでジャムにするのが良いとのことです。
グミの実に似ているのはサンシュユの実です。こちらも食べられるそうですが、熟してないサンシュユの実は渋く酸っぱいそうです。
ガーデンにはいろいろと食べられる秋の果実があります。
9月中旬、ハギが結構咲き始めました。赤、ピンク、白といろいろ咲いています。
フジバカマは、原種の白が咲き始めています。淡いピンクのフジバカマはまだまだこれからです。アサギマダラが来ないかと待っているのですが、なかなか来ませんね。
一方、フジバカマによく似た花をつけるのがヒヨドリバナです。ガーデンでは山のエリアで自生しており、たくさん咲くようになりました。両者の見分け方ですが、フジバカマは葉先が3つに切り込まれているのに対し、ヒヨドリバナの葉は細長く切り込みは入っていないことで、識別できます。
スイフヨウは漢字で酔芙蓉と書き、要は、酔っぱらいのフヨウです。花の色は、朝は白ですが、気温が上昇していくにつれて淡いピンク、さらに濃いピンクに変化する花色が、お酒に酔った人のようであることから酔芙蓉と名付けられました。名付け親は、植物学者、牧野富太郎博士だそうです。
ガーデンのスイフヨウは、花弁がくす玉のように折り重なって咲くため、どこが花の正面なのかよくわかりません。よく見ると、大変おもしろい酔っぱらいさんです。なお、京北では冬の寒さのため、地上部は枯れてしまいますが、翌年の春、ちゃんと芽が出て、樹高は2m以上になります。丈夫な植物です。
9月下旬、ソリダコファイヤーワークスが満開となりました。ソリダコっておもしろい名前ですね。上野ファームのカレンダーに載っていた写真を見て、苗を取り寄せ植えたところ、暑さ寒さに強く、よく増えます。夏から秋にかけて、色鮮やかな黄色の長い花穂が、まるで花火のように花を咲かせます。ソリダコはSolidagoと書き、正確にはソリダゴですが、通称名としてソリダコで知られています。私は、逆さにしたタコの反った足のように花が咲くので、ソリダコかなと思っていましたが、これは全く違いました。
シオンはキク科の多年草で、漢字で紫苑と書きます。日本では古くから栽培されている植物で、秋には薄紫色の一重の花を咲かせます。その草丈は2mほどまで成長するため、私は花芽が付く前に一度切り戻し、草丈を抑えています。暑さ寒さに強く、放っておいても地下茎で増えるため、いつの間にか群落ができています。花言葉は『君を忘れない』だそうです。
コルチカムは葉が出る前に花が咲くという独特な性質を持っている、秋咲きの球根植物です。球根から直接花芽が伸び、ピンクがかった薄紫の花を咲かせます。春には新芽が伸び出し、大きなつやのある葉が6月ごろまで茂ります。葉はその後枯れ、秋に花芽が伸びてきます。暑さ寒さに強く、ガーデンでは植えっぱなしのままです。いつの間にか、周囲をクラウンベッチのツルに覆いつくされ、ツルの間から花が咲き始めたのを見つけましたので、周囲のクラウンベッチを除去して、撮影しました。
その他、ガイラルディア、バラ、ヘリアンサス、北山友禅菊、ルドベキアタカオ、タイタンビカス、ロベリア、ダリア、キクイモ、ラベンダーセージ、パンパスグラス、ヒオウギ、ヒャクニチソウ、ペルシカリア、ヨメナ、などが開花、もしくは開花中です。
本日12時の気温は24.2℃、天気は晴れ時々曇り、ガーデン作業にはうってつけの気象条件です。
ではまた。
ブナの森ガーデンにて
小田木 一富