ガーデン便り

2025-08-31 12:30:00

2025年8月31日 8月のガーデン便り 「続・酷暑」

8月のガーデン便りです。 

今日は831日、明日からは9月です。以前として毎日、暑い日々が続いています。本日の京都市内の予想最高気温は39、昨日迄の京都市の最高気温は、35を超えた猛暑日が51日、とのことですので、本日で間違いなく、猛暑日は52日となるのでしょうね。京北はというと、今日の朝10時ですでに30を超えていますので、おそらく、午後3時頃には35前後になると思います。

2025.08.30_8月のガーデン_P1360039_s.jpg 8月30日撮影 8月のガーデン

先日の24日、あやうく熱中症になりかけました。その日は、京都市内は曇りのち雨の天気だったのですが、京北は曇り時々晴れ、前日から準備していたマリーゴールドの植え付けを、午後2時から3時の間で作業を行っていました。ちょうど空模様はカンカン照りの晴れとなり、直射日光をまともに受けての作業でした。3時近くなる頃、なぜか、暑さをもろに感じて、のどの渇きがひどく、少しふらふらする感じでした。休憩は1時間おきにはとっていますので、まだ、次の休憩にはもうちょっとだけ時間がありました。けれども、これはたまらん、と思いすぐに作業は中断、ガーデン設置の温度計を確認すると34.9を示していました。暑いわけです。すぐに撤収し、建物内に避難、水分補給と塩分補給を行い、1時間ほど休みました。

4時の気温は32.0に下がったので、作業を再開。やがて夕方となり日陰も増え、ずいぶん作業がしやすくなりましたので、日暮れまでに何とか苗の植え付けを完了しました。ちなみに、その日の京都市内の最高気温は36.3でした。市内は天気が悪く少し雨が降ったこともあり、それほど気温は上がってはいませんでした。考えてみると、熱中症にはなっていませんが、あの状態でずっと作業を続けていたらと思うと、ぞっとしますね。とくかく、一人作業ですので、倒れたらとんでもないことになります。休憩は頻繁にとり、作業を行わなければならないと、痛感しました。

 

さて、ガーデンの一番大きいブナの木の葉っぱが半分枯れたと先月報告しましたが、その後の続報です。先月の報告では、枝を枯らした犯人はゴマダラカミキリと断定していましたが、実は真犯人は別にいました。枝の表皮を食いつくし、葉に水分と養分が行きわたらなくした真犯人、なんとシロスジカミキリでした。

2025.08.16_シロスジカミキリ_P1350322_s.jpg 8月16日撮影 ブナの幹をかじるシロスジカミキリ

ガーデンに来た時、必ずブナのパトロールを行っていたのですが、幹を観察していると、いました。89日、ブナの幹にとりついたシロスジカミキリ1匹を確認しました。カミキリムシの中では最大の大きさで、頭からお尻までの体長は6cmぐらいあります。直ちに駆除しました。その後、16日に1匹、28日に1匹、さらにシロスジカミキリがブナの幹で見つかりました。合計3匹のシロスジカミキリを8月に駆除したことになります。これは、異常な数です。猛暑が昆虫の世界にも変化をもたらしているような気がします。これまで、ブナがカミキリムシの被害を受けることはなかったのですが、今後、このような例は続くと思われます。

シロスジカミキリ以外にも、ガーデン内でゴマダラカミキリ4匹を駆除しました。ゴマダラカミキリはシロスジカミキリより一回り小さく、体長は4cmぐらいです。78月で合計7匹のゴマダラカミキリを駆除したことになり、やはり、こちらも異常な数ですね。

2025.08.23_ゴマダラカミキリ_P1350630_s.jpg 8月23日撮影 ゴマダラカミキリ

被害を受けたブナの状況ですが、カミキリムシにより枝の表皮を食いつくされたため、9割の葉が枯れてしまいました。ただ、希望はあります。幹から新たな芽があちこちから生えてきました。ブナ自身が、必死に生き残ろうとしているのです。写真をご覧ください。今後もパトロールを継続しなければなりませんが、ブナの頑張りを見守っていきます。

2025.08.28_カミキリにやられたブナ_P1350816_s.jpg 8月28日撮影 カミキリにやられたブナ(中央の木)

2025.08.28_ブナの新芽 復活の兆し_P1350810_s.jpg 8月28日撮影 ブナの新芽 復活の兆し

カミキリムシはブナ以外にも被害を与えています。昨日は、ハクロニシキの根元に穴があけられ木くずが噴出している状態を確認しました。これも殺虫処理を行います。ほかにもあるはずですので、山のエリアのクリなども含めて、確認する必要が出てきました。

 

ガーデンでは35を超えることはめったにありませんが、酷暑の間、水やりは大変重要です。先月も説明しましたが、ガーデンに来る日は、連日数時間水かけを行っています。散水ノズルを三脚に固定し、30分ぐらいずつ水をかけっぱなしにして、順次場所を移動しながら、水やりをするのです。水かけ無しでは、ガーデン内の植物の3割は枯れてしまいますので、まだまだ、9月に入っても水かけは続きます。

 

では、8月のガーデンの開花状況です。すでに、インスタグラムで動画をいくつかアップしておりますので、まだご覧になっていない方は、ぜひ、そちらも見てください。夕方のヒグラシのカナカナという大合唱は、814日頃で終わりましたが、インスタグラムのショート動画7(719日から814日まで)のエンドは、ヒグラシの蝉時雨の音声を入れています。ヒグラシの鳴き声は、私は大好きです。癒されますので、ぜひ、ご覧ください。

以下の花の説明文は、インスタグラムの文面を再構成していますので、重複する分はご容赦ください。

ルドベキアゴールドストラムは、昨年8月に富良野の風のガーデンを訪れた際、群生しているルドベキアが見事でしたので、若いガーデナーに品種名を教えてもらい、苗を取り寄せて育てたものです。暑い真夏に優雅に揺れるルドベキアゴールドストラムは、すっかりガーデンの主役になりました。

2025.08.07_ルドベキアゴールドストラム_P1340811_s.jpg 8月7日撮影 ルドベキアゴールドストラム

フクシアは、下向きに咲く上品な花姿が印象的な、草丈が3050cmの低木です。ガーデンに植えてある株は、頂き物の鉢植えでしたが、実はフクシアは、耐暑性、耐寒性ともに弱く、京北ではすぐに枯れてしまうだろうと思っていました。ところが、冬の寒さ、夏の暑さを超え、1年以上生存し、この夏、初めて開花しました。多分、品種はエンジェルスイヤリングだと思いますが、多少は暑さ寒さに強いようです。来年、また開花するかどうかは、この個体のがんばり次第でしょう。

2025.08.09_フクシア_P1350092_s.jpg 8月9日撮影 フクシア

ナツズイセンは、リコリス スクアミゲラともいい、ヒガンバナの仲間です。早春に球根からスイセンのような葉が出て夏前に枯れ、その後、株本から花茎がのび、8月の暑い盛りに淡いピンクの花を開花させます。

2025.08.14_ナツズイセン_P1350168_s.jpg  8月14日撮影 ナツズイセン

タイタンビカスは、赤塚植物園がアメリカフヨウとモミジアオイの交配選抜から創り出した植物です。暑さ、寒さに強く、花の直径は15cm以上と大型で、夏のガーデンを鮮やかに彩ります。ちなみに、モミジアオイは、花の形が明らかに異なりますので、違いを見てください。

2025.08.14_タイタンビカス赤_P1350231_s.jpg  8月14日撮影 タイタンビカス赤色

2025.08.17_タイタンビカス桃色_P1350375_s.jpg 8月17日撮影 タイタンビカス桃色

2025.08.26_タイタンビカス白色_P1350773_s.jpg 8月26日撮影 タイタンビカス白色

2025.08.17_モミジアオイ_P1350364_s.jpg 8月17日撮影 モミジアオイ

レンゲショウマは、その花の可憐さから、森の妖精と呼ばれています。深山のやや湿った林床に見られる、日本固有の11種の植物です。ガーデンのレンゲショウマは、京北在住の昆虫学者SK先生が育てた苗を購入し定植したものです。バラの近くに植え付けました。レンゲショウマは日なたはだめですので、ハクロニシキの日陰に植えています。来年もまた森の妖精と呼ばれる花が咲いてくれるといいのですが、春に芽が出なかったら、SK先生に相談ですね。(SK先生はホームページのガーデン便りで何回か登場いたします。詳細はガーデン便りを遡ってください。)

2025.08.17_レンゲショウマ_P1350406_s.jpg  8月17日撮影 レンゲショウマ

2025.08.28_レンゲショウマ_P1350833_s.jpg 8月28日撮影 レンゲショウマ

夏のバラが今、結構咲いています。手入れは不十分ですが、草や笹に埋もれたバラを一株ずつ除草し、不要な枝を選定し、肥料を施して、少し状態は改善しつつあります。

2025.08.03_バラ_サイラスマーナー_P1340692_s.jpg  8月3日撮影 バラ サイラスマーナー

2025.08.09_ハマナス_P1350037_s.jpg 8月9日撮影 ハマナス

2025.08.16_バラ ルビーフラワーカーニバル_P1350331_s.jpg 8月16日撮影 バラ ルビーフラワーカーニバル

2025.08.19_ツルバラ マリーヘンリエッテ_P1350441_s.jpg 8月19日撮影 ツルバラ マリーヘンリエッテ

2025.08.19_バラ ストロベリーアイス_P1350432_s.jpg 8月19日撮影 バラ ストロベリーアイス

2025.08.19_バラ ブルームーン_P1350424_s.jpg 8月19日撮影 バラ ブルームーン

2025.08.21_バラ アドーアロマンティカ_P1350486_s.jpg 8月21日撮影 バラ アドーアロマンティカ

2025.08.24_バラ バーガンディアイスバーグ_P1350673_s.jpg 8月24日撮影 バラ バーガンディアイスバーグ

2025.08.30_シュワブローズクラリス_P1360073_s.jpg 8月30日撮影 シュワブローズ クラリス

 

ヘリアンサスレモンクィーンが今満開です。背丈は自分の背の高さを超えるくらいです。これでも、6月に一度刈込を行い、高さを抑えたのですが、ちょっと高くなりすぎですね。雨が降ると、倒れてきてしまいますので、もう少し高さを抑えたかったです。こぼれ種でもよく増えるので、当ガーデンの中でも最大面積を占めている、夏の主役です。 

2025.08.30_ヘリアンサスレモンクィーン_P1360044_s.jpg  8月30日撮影 ヘリアンサスレモンクィーン

 

その他、ヤブデマリの実、サルスベリ、バーノニア、ノリウツギ、ハナトラノオ、ムクゲ、オオケタデ、ガウラ、ブッドレア、ミソハギ、ユーパトリウム、ロベリア、タリクトラム、オトコエシ、ラベンダーセージ、北山友禅菊などが結実、開花、もしくは開花中です。

2025.08.03_ヤブデマリの実_P1340682_s.jpg 8月3日撮影 ヤブデマリの実

2025.08.05_サルスベリ_P1340777_s.jpg 8月5日撮影 サルスベリ

 

2025.08.05_バーノニア_P1340757_s.jpg 8月5日撮影 バーノニア

2025.08.09_ノリウツギ_P1350049_s.jpg 8月9日撮影 ノリウツギ

2025.08.09_ハナトラノオ_P1350084_s.jpg 8月9日撮影 ハナトラノオ

2025.08.12_ムクゲ_P1350152_s.jpg 8月12日撮影 ムクゲ

2025.08.14_ムクゲ_P1350240_s.jpg 8月14日撮影 ムクゲ

2025.08.14_オオケタデ_P1350196_s.jpg 8月14日撮影 オオケタデ

2025.08.14_ガウラ_P1350259_s.jpg 8月14日撮影 ガウラ

2025.08.14_ブッドレア白_P1350194_s.jpg 8月14日撮影 ブッドレア白

2025.08.14_ミソハギ_P1350225_s.jpg 8月14日撮影 ミソハギ

2025.08.14_ユーパトリウム_P1350279_s.jpg 8月14日撮影 ユーパトリウム

2025.08.14_ロベリア_P1350202_s.jpg 8月14日撮影 ロベリア

2025.08.17_タリクトラム_P1350396_s.jpg 8月17日撮影 タリクトラム

2025.08.28_オトコエシ_P1350786_s.jpg 8月28日撮影 オトコエシ

2025.08.28_ラベンダーセージ_P1350783_s.jpg 8月28日撮影 ラベンダーセージ

2025.08.30_北山友禅菊_P1360071_s.jpg   8月30日撮影 北山友禅菊

 

本日12時の気温は32.0、さらに気温は上昇中です。熱中症にならないよう、注意してガーデン作業を進めていきます。 

 

ではまた。

ブナの森ガーデンにて

小田木 一富