ガーデン便り
2025年7月1日 6月のガーデン便り 「盗人はタヌキか、アナグマか?」
6月のガーデン便りです。
今日から7月です。梅雨は6月27日に明け、猛暑の日々が早くも到来してしまいました。やはり温暖化の影響で日本列島は少しずつ熱帯に近づいているような気がします。昨日は夕立のような雨が16時頃から降りましたので、植物にとっては恵みの雨でした。今日も京都は最高気温がどんどん上昇しています。
さて、表題の件、盗人(ぬすっと)とは何ぞや、ということなんですが、実はまた事件が発生しました。4月に咲いたミズバショウですが、開花後、種ができていました。何本かの種の穂が、ミズバショウの株からにょきっと突き出しており、私は、種の熟成を期待して待っていました。
ところがです。6月17日にミズバショウのところに行ってみると、種の穂がすべてなくなっていました。何者かが食べていったものと推察されます。去年も同様の事件が発生しており、私は今年は不織布で種の穂を覆ってしまおうかと迷っておりましたが、それをする前に、すべて取られてしまったわけです。 犯人はいったい誰なのか。
私は、5月の野ウサギ侵入があった経緯から、野ウサギを撮影しようと思い立ち、トレイルカメラを購入し、ブナの苗木を植えてある場所近くに、トレイルカメラを設置しておりました。このカメラに6月7日の夜、犯人が写っていました。写真を添付しますので見てください。夜の撮影のため、白黒の写真です。
写真を見る限り、タヌキか、あるいはアナグマのようです。正面の顔がはっきりと映っていれば、どちらかかは判定できると思いますが、動画を見てもよくわかりませんでした。両者ともに雑食性ですので、ミズバショウの種を食った可能性は非常に高いと思います。また、タヌキもアナグマも、私はこれまでにガーデン周辺で日中に見かけたことがあります。どちらにせよ、今年も種でミズバショウを増やすことはできませんので、また、来年に期待ということになります。残念無念ということです。
さて、6月19日(木)から22日(日)にかけて北海道ガーデンを訪ねて回ってきました。娘がこの時期、札幌で学会の発表があるのでいっしょに行きませんかと誘ってくれたのです。旅費は娘が出してくれて、さらに息子からもお小遣いをかみさんがもらいましたので、かみさんと二人で、ガーデンを巡ってきました。ただ、娘の方は本当は日曜日に上野ファームに一緒に行くつもりでいたのですが、あいにく、日曜日に学会報告が当たってしまい、残念ながら、北海道は仕事で来ただけになってしまいました。
北海道ガーデンは、5カ所を回りました。帯広周辺で3か所、富良野で1カ所、旭川で1カ所です。北海道ガーデンを回るためには車は必須です。千歳でレンタカーを借り、まず帯広に向かいました。予想より早く帯広に到着したので、駅から20分の十勝ヒルズに寄って行くことにしました。十勝ヒルズは、犬などのペット同伴OKのガーデンでした。広い敷地に花はまだ少なく、ローズガーデンもこれからという状況でした。
翌日、六花の森、十勝千年の森の2箇所に行きました。六花の森は、製菓会社の六花亭が運営するガーデンです。広大な敷地内に小規模な展示施設の建物を点在させて、ちょっとした美術館巡りをしながら敷地内を散策できるようになっていました。ハマナスなどがちょうど見頃となってるほか、渓流沿いにクリンソウが咲いておりましたが、ガーデンとしては花数は少なかった印象です。
十勝千年の森は、新聞社が経営母体となっているガーデンです。とにかく敷地が広く、とても1~2時間では回れません。ただ、花の咲くガーデンのエリアは、メドウガーデンとファームガーデンに限定されていますので、それを見るだけなら、短時間で済みます。まあ、北海道は広いなあ、という感覚を切実に感じるガーデンでした。森の中を歩くフォレストガーデンは、参考になりました。
翌日、青い池を見てから富良野の風のガーデンに行きました。風のガーデンは、ドラマ「風のガーデン」を撮影するために、ゴルフ場をつぶして造ったガーデンです。設計は上野ファームの上野砂由紀さん、いつ行ってもすばらしいの一言に尽きるガーデンです。
昨年から変わっていたのは、メインの歩道が舗装されていたことです。茶色に塗装?されておりましたので違和感はありません。車椅子などでの散策には良いと思います。ドラマ撮影後に増設された薔薇の庭にも行ってきました。ちょうどさまざまのバラが見ごろとなっており、それはすばらしいものでした。また、野の花の散歩道には、ルピナスが咲き乱れており、これも北海道ならではだなあ、と感じました。
午後に旭川の上野ファームに行ってきました。本当は翌日に行くつもりだったのですが10時過ぎまで雨の予報だったため、早めに行くことにしたのです。上野ファームにつくと、音楽祭をやっている最中でした。地元の音楽グループが入れ代わり立ち代わり演奏をしたり歌を歌っていました。なかには、のど自慢の鐘二つレベルのボーカルもあり、これは騒音でしかないなと思うものもありましたが、まあ、盛況でしたね。
ガーデンの方は、さすがに上野ファームです。北海道ガーデンの中でも抜群の花数、花のすばらしさを堪能できました。バラもあちこちに点在しているのですが、手入れが行き届き、たくさんのバラが咲き乱れていました。
上野砂由紀さんはというと、相変わらず元気で働いていました。ガーデナーに指示して、コスモスなどの一年草の苗をガーデンの空いた空間に植え付けしていました。帰りがけ、偶然に上野砂由紀さんが目の前を通り過ぎましたので、一つだけ質問してみました。
「砂由紀さん、あの壁にいっぱい貼ってあった花の写真は、雨が降るから撤去しちゃったんですか?」
「あるよ。」と元気な返事。
別の壁に貼ってあることを教えてくれました。
「あそこは、ソファーを置いたので、邪魔になるから。」ということでした。
最後に上野ファームの売店で、フリーペーパーのNIWAZINE(庭人)をゲットできました。編集内容はさすがに上野ファームですね。ガーデナーの方が編集したそうですけれど、中身の濃い内容とイラストです。
では、6月のガーデンの開花状況です。すでに、インスタグラムで動画をいくつかアップしておりますので、まだご覧になっていない方は、ぜひ、そちらも見てくださいね。
6月上旬までは、アリウムギガンチウム、ウツギ、カンパニュラメディウムなどが盛況でした。
バラは、相変わらず手入れをしていない状況で、ストロベリーアイス、マリーヘンリエッテ、ハマナス、ツルバラ芽衣、ブルームーン、などがかろうじて咲いてくれました。ツルバラ安曇野は今年は花付きが悪く、まともに写真が取れていない状態です。手入れがないことによる弊害ですね。やはりバラは、しっかりと手入れが必要だということです。
キスゲの仲間は、ニッコウキスゲ、黄色のヘメロカリス、赤系のヘメロカリスなどが順次咲いています。
ホタルブクロも今日現在もまだ咲いています。
6月後半は、クガイソウ、アスチルベ、シモツケ、アジサイ、などが開花。これからは、ヘリオプシス、北山友禅菊、ルドベキア、エキナセアなどが開花の中心になっていきます。
本日12時の気温は31.7℃、14時には33℃になってきました。暑いです。熱中症に注意して、ガーデン作業を進めていきます。
ではまた。
ブナの森ガーデンにて
小田木 一富