ガーデン便り

2022-08-06 12:41:00

2022年8月6日 7月のガーデン便り「北山友禅菊」

7月のガーデン便りです。

 

8月に入り暑さはまだまだ続いています。明日は立秋ですので、朝晩が少しずつ涼しくなっていく時期に入っていきます。朝夕は、ヒグラシがよく泣いています。カナカナカナという声を聴くと、少し涼しさを感じますがなぜなんでしょうね。

 

相変わらず、雑草の勢いはすさまじく、私一人では太刀打ちできません。とはいっても、少しでも雑草を減らそうと日々頑張っているのですが、気温が30を超えると、草取り作業は1時間も持ちません。建物の中で、涼む時間が、ついつい長くなってしまいます。熱中症に注意して、作業と休憩を繰り返しています。

 

炎天下で、枯れてしまった植物が少し増えてきました。秋に咲くシュウメイギクが、ちょっと水かけを忘れていたら、3株ほど枯れてしまいました。3m近くあったシラカバも、もう一本がとうとう枯れてしまいました。植えた場所が良くなかったかもしれません。これで合計2本のシラカバが枯れたことになります。

7月にまいた西洋芝の種は、一度芽が出たのですが、暑さで枯れてしまいました。7月の種まきはちょっと無理をしすぎました。もっと涼しくなってから、再度まくことにします。

失敗の連続ですが、それはそれ、ノウハウとして自分に取り込み、前に進むしかありません。

 

良かったこともあります。ナツズイセン(リコリス)が初めて咲きました。おととし20球ほど植えたのですが、今年の春、やっと葉が伸びてきていったん枯れて、その後どうなるかと思っていたところ、ヒガンバナのように茎がしゅっと伸びてきて、花が咲いたのです。咲いたのは2株だけですが、まあよかったですね。いつ咲くかは花のみぞ知るという、奴です。葉と花が別の時期にそれぞれ出現するのは、ヒガンバナと同じです。

2022.08.02_ナツズイセン(リコリス)_P1040542_s.jpg ナツズイセン(リコリス)

前回お話しした北山友禅菊ですが、京都市左京区の山村、久多に行き現物を確認しようと思い立ちました。久多に行く前に、私は、まずブナ原生林のある朽木生杉(くつき・おいすぎ)に行ってきました。目的は、ツルアジサイの挿し木のための枝の採取です。

ツルアジサイは、文字通りツル状のアジサイです。幹や枝から気根を出して樹木の木肌に付着し登っていきます。長さは20mぐらいになるそうです。見た目がとても美しいツルですので、ぜひ、京北でも自生している高木に絡み付けたいなと思っていました。実はこの5月末にも、一度朽木のツルアジサイの枝を採取して挿し木をしたのですが、まだ枝が若すぎて、すぐに枯れてしまいました。もう一度挿し木をトライしたく、729日に現地に行きました。花はすでに終わっていましたが、元気な枝を採取できました。

 

朽木生杉から久多までは車で40分ほど細い山道を進みます。久多の集落の中に、北山友禅菊の畑が見えてきました。駐車場は、集落の中にあるお寺の駐車場(数台が駐車可)しかありませんでしたので、そこへ車を止めて、北山友禅菊をじっくりと見てきました。 久多の北山友禅菊は、私が京北に植えた北山友禅菊と同じでした。ただ、久多のもののほうが、花の直径が1cmぐらい大きい印象を受けました。育て方の違い、肥料の差があるかもしれません。品種改良が行われていたのかもしれません。北山友禅菊は、もとはチョウセンヨメナ、あるいはボルドー菊と呼ばれる種類のノギクですので、私は、チョウセンヨメナ、ボルドー菊、の苗も入手し、ガーデンに植えてみました。

 

北山友禅菊、チョウセンヨメナ、ボルドー菊、どれもほぼ一緒の植物でした。開花時期も7月で変わりません。ただ久多の北山友禅菊は、畑一面に咲いていて、花もやや大きいので、見た感じはとてもすばらしいものでした。植栽の密度も久多のように密集してくると、迫力がありますね。京北のガーデンでも、ここまでの面積は取れませんが、株が増えて密集して咲くようになれば、ガーデンの主役になるのは間違いないと思います。7月中旬のガーデンの北山友禅菊の写真と、久多の北山友禅菊の写真を添付しますので、比較して見てください。

2022.07.16_北山友禅菊_P1040369_s.jpg ガーデンの北山友禅菊

2022.07.29_久多の北山友禅菊_P1290208_s.jpg 久多の北山友禅菊

久多は残念ながら交通の便が悪く、車でしか行くことができません。しかも、道幅は狭く、対向車が来ると、離合できる場所まで車をバックさせたりしなければなりません。せっかくの北山友禅菊ですが、観光資源にはなっていないのが現状です。北山友禅菊を見に来る観光客はわずかです。過疎の山村にもっと人を呼び込もうとするのならば、やはり道路の改善が必要でしょうね。

 

その点、当方の「ブナの森ガーデン」の道路事情は入り口近くまでは完全に2車線道路ですので、あとは、しっかりと駐車場を確保すれば、人は呼び込めるとにらんでいます。ガーデンを経営していくわけですので、もっともっと魅力的な要素を取り込んでいかなければなりません。

 

ところで、八百一(やおいち)が京北にレストランをオープンさせたのはご存知ですか。八百一は高島屋京都店にも出店している八百屋の大手です。京北にビニールハウスを建て、イチゴ栽培をはじめて、まもなく、レストランが今年の4月にオープンしたのです。

かみさんが京北のガーデンに久々に来たので、その帰り、昼過ぎに「京都八百一 郷蔵前」に立ち寄ってみました。レストランは、ランチコースが4000円、6000円と高級路線で営業していました。三連休の日曜日でしたので、さぞや混んでいるだろうと思ったのですが、半分ぐらいの客の入り状態、予約なしでも大丈夫でした。(もちろん昼食後に寄ったのでレストランには入っていません。) ショップには八百一の野菜とか置いてあるのかと思ったのですが、加工品しか置いてなく、私としてはちょっと残念な物販となっていました。

オープン当初は結構混んでいると聞いたのですが、少しがっかりです。京北観光の呼び水にはなっていませんでした。いちご狩りとかをやってもらったら、もっと多くの人が集まるのではないかと思いましたが、八百一の方針で現在の経営を進めているのでしょうから、今後どうなるのでしょうかね。ともかく過疎地域である京北に、さまざまな施設ができるのは大賛成です。相乗効果で、ガーデンに来る人も増えていくのは間違いありません。

 

ガーデンはまもなく8月の主役、ヘリアンサスレモンクィーンが咲き始めます。今日は曇り時々晴れ、12時の気温は、28.7、午前中は、比較的涼しかったのですが、午後からは暑くなると思われます。なかなか草取りが進まないので、雑草の夏草の生い茂る中で所々に花が咲いているという状態ですが、少しずつ改善しています。

 

ではまた。

京北のガーデンにて

小田木 一富