ガーデン便り

2021-12-30 12:50:00

2021年12月30日 12月のガーデン便り「C.W.ニコルさんのこと」

12月のガーデン便りです。

今回はいつもよりちょっと早めに発信しました。今日は、京北での作業の仕事納めです。

 

今年の冬は、雪がよく降ります。1218日の初雪の積雪は、40cm。また、1226日から降り始めた雪は28日朝の時点で積雪25cm

今日は、午前の時点で10cmの雪が残っていました。12時の外気温は6です。

2021.12.28_建物北東側から_IMG_9978_s.jpg 2021.12.28撮影 雪のガーデン

京北のガーデンは、府道78号から林道を40m入らなければなりません。府道はしっかり除雪されますので、スタッドレスタイヤを装備していれば何等の問題もありません。しかし、林道は除雪されないので、自力で除雪する必要があります。特に府道と林道の境界は、除雪車による圧雪が固まっていますので、40cmの積雪となると、2WDの私の車では歯が立ちません。以前は4WDでしたので前進後進を繰り返してラッセルすれば何とかなったのですが、今回は仕方がなく、道路わきに駐車して、自分で除雪しました。園芸用のスコップしかなかったので、除雪に1時間、林道側に雪の重みで倒れた大型の笹などの除去に30分かかりました。

除雪の道具としては、全然駄目であることが判明しましたので、その日の帰りに京北のコメリに寄って、除雪用の道具(スコップ、プッシャー)を購入しました。28日に実際にこの道具を試しに使ってみましたが、効率が全然違います。40mの林道の除雪はおそらく30分もかからないでしょう。やはり、最適な道具はそれにかなうものなしということです。

 

ガーデンは雪に埋もれてしまうと、まず、何の仕事もできません。40cmの積雪の場合は、4日間、地面が見えてきませんでした。今日30日午前中は、28日に事前に雪を除去しておいた場所を開墾して、スイセンの球根を植えました。今年もいろいろと球根を仕入れていたのですが、まだ、チューリップ、アリウムギガンチウム、ユリの球根を植えることができていません。仕方がないので、年明け早々に、これらの植え付けを行う予定です。本来は、11月末までには植えようと思っていたのですが、さまざまの宿根草や2年草の苗の植え付けに手間取り、ずるずるときてしまいました。

 

ガーデンの宿根草の中にも、寒さに弱いものがあります。アメジストセージは昨年末-15になった時に全滅してしまいましたので、今年は根の上に枯れた雑草を山盛り積み重ね、マルチングとしました。これまでのところ-5にも至っていませんので、まだ、根は生きています。果たして、春を迎えられるかは、4月以降にならないとわかりません。

 

また、柑橘類の植物は、どちらかというと寒さに弱い植物です。本当はレモンを植えたかったのですが、寒冷地では冬は室内でないと越せないと書かれていましたので、ダメもとでポンカンを植えています。ただ、18日の大雪で、葉っぱがすべて黄色になってしまいました。大急ぎで、根の周りに枯れた雑草によるマルチングを施し、木全体を不織布で覆ってみました。果たして新たに葉が芽吹くかはわかりません。まあ、ダメもとですので、様子を見ることにします。

 

その他、大雪の影響は、樹木のコニファーにも出ており、木の香りがよいので植えたブルーアイスが8本、雪の重みで倒れてしまいましたので、今日の午後は、倒れないように杭で補強します。倒れると木の枝、幹と根にダメージを与えますので、今後は冬の到来の前に、雪つりをしないとだめですね。金沢の兼六園とかでやっているあれです。

 

一方で、雪にも負けず、寒波に耐えている木もあります。いただいて植えたユーカリポポラスは-15に耐えるらしいのですが、今のところ元気です。新潟産のオリーブも4本植えたのですが、雪に完全に埋もれていますが、まだ、大丈夫そうです。

 

ところで、C.W.ニコルさんをご存知でしょうか。残念ながら2020年の4月に79歳で亡くなりました。私は、若い頃、ニコルさんの著書をよく読んでいました。一度大阪の書店でサイン会に偶然出会わせ、新刊「北極ガラスの物語」を購入しサインをいただいたこともあります。ニコルさんの著作の中で、特に、長野の黒姫を終の棲家としてからのエッセイは、とても共感するものでした。ニコルさんは私費を投じて黒姫の荒れた山林を購入し、森の再生活動を行った人です。森は「アファンの森」と名付けられ、今は「C.W.ニコル・アファンの森財団」が引き継ぎ活動を続けています。

 

2013年に出版された「アファンの森の物語」という本を、私は今年入手し、何回か読み返しています。「森をつくる」という本もありましたので、何とか手に入れ読んでみました。さらに「アファンの森の物語」というDVDをヤフオクで発見しましたので、さっそく落札し見てみました。

c.w.ニコル_森をつくる.jpg 

つまるところ、私はニコルさんのように、森をつくる仕事をしたかったのですね。ニコルさんは作家でもあり、タレントでもあり、その収入で山林を購入し、森を再生し、財団をつくり森の維持活動を推進しました。私は、ニコルさんのようにはできないので、退職金をつぎ込み、荒れ地を買い、ガーデンをつくっています。これからガーデンを会社組織とし、利益を出し、周辺の山林を購入するつもりです。そして、スギやヒノキの荒れた山林を、ブナなどの広葉樹が茂る豊かな森に再生したいと思っています。広葉樹を借景とするガーデンは、さぞかし、素晴らしいナチュラルヒーリングガーデンになると思います。まだまだ、時間がかかります。「アファンの森の物語」の本の帯にこう記述されていました。

「私の死後もこの森は生き続けてくれる。たくさんの子供たちがここで遊ぶだろう。そう考えただけで心は安らかになる」 C.W.ニコル

すごい言葉をニコルさんは残されました。

  

明日から、また雪になります。明日はデイサービスの仕事が終わってから、車で帰省します。ちょっと雪が心配です。

ではまた。

京北のガーデンにて

小田木 一富