ガーデン便り

2021-11-06 12:34:00

2021年11月6日 10月のガーデン便り「深まる秋」

10月のガーデン便りです。

 

秋が深まってきました。というよりも、冬がもうすぐそこに迫っています。ガーデンの花々は、ほぼ終わりの段階を迎えています。11月は、新たに咲き始める花はほとんどありません。昨年は、ウインターコスモスが何種類かありましたし、キンギョソウの宿根タイプのものもまだありました。パイナップルセージという赤い花も11月に咲くはずだったんですが、いずれも枯れてしまっています。前回の冬、-15近くに下がったせいで、宿根草のウインターコスモス、アメジストセージは全滅。今咲いているアメジストセージは、今春以降で苗を植え付けたものです。キンギョソウ、パイナップルセージは、なぜか夏を超えられませんでした。

 

なかなか、宿根草の管理は難しいですね。枯れてしまったものは、後悔しても仕方がないので、新たに、苗を次々と植え付けています。ウインターコスモスのうち、比較的寒さに強い品種を買ってきましたので、この冬、乗り越えられるか、マルチングで寒さ対策をしつつテストします。来年春以降に咲く花々の種まきは、10月に終えていますので、これから、苗をガーデンに定植していきます。そのほか、チューリップ、アリウム、ユリなどの球根もたくさん買いましたので、11月いっぱいかけて、植え込みを行います。

 2021.10.12_アゲラタム_P1020912_s.jpg アゲラタム

2021.10.19_ノコンギク・夕映え_P1020906_s.jpg ノコンギク

隣接する西側のヒノキ林の山の件、少し話が進展しました。山林は、三人の所有者に分かれており、その境界の確認に手間取りましたが、3つの土地の境界が確認でき、うち一つは、私が欲しいと思っている山林の範囲より、北側の山林であることがわかりました。残り二人(Yさん、Kさん)とコンタクトを取り、Yさんからは、ヒノキの伐採OK、土地の貸与OKの確認を取りました。Kさんとは先週こちらの希望を話し、回答待ちの状態です。「ブナの森ガーデン」の実現が、少しずつ形になってきました。

 

それからヒノキ伐採後に植え付けるブナの苗木を育てるため、ブナの種子の採取に行ってきました。場所は、京都、滋賀、福井の三県県境に位置する生杉(おいすぎ)というところです。ここにブナ原生林が残っています。生杉は私が若いころ、よく行った場所です。生杉まで車で入り、そこからブナ林を登って三国峠を経て枕谷から地蔵峠へ抜ける登山道です。地蔵峠は京都大学芦生演習林の入り口になっており、許可がないとそこから先へは進めません。地蔵峠からは林道を下って生杉に戻ります。 以前生杉に行ったのは、子どもが小学生の時、一緒に登ったのが最後で、それ以降は、まったく行っていませんでした。

以前の経験から、ブナの種子は10月に入れば落下していることがわかっていましたので、1012日に生杉でのブナの種子採取を決行しました。 ブナは豊作、不作、凶作の年があり、発芽可能なブナの実を採取できるかは行ってみないとわかりません。今年は不作の年でした。それでも20本以上のブナの大木の下を探し回って、何とか600個ほどの発芽可能な種子を採取できました。ふっくらと膨らんだブナの実は、黒光りしていて、私にはまるで宝石のように見えます。すぐに京北で種まきをしましたが、もう少し苗を準備したいと考え、後日もう一度生杉に行き種を採取、合計1100個の種まきを完了しました。

2021.10.12_ブナの種子_生杉・枕谷_P1020828_s.jpg 生杉にてブナの種子

発芽するブナの苗木は、個体差を有しており、どれほどの割合で、京北の環境に適用するブナに成長できるかはわかりません。10%でも大きく成長してくれる苗が残れば、100本ほどのブナが森を形成していくことができるのでは、と考えています。実生からのブナに加えて、昆虫学者のSK先生から今後譲り受けるブナがあれば、何とか形になるのではと思っています。ブナの発芽は、来年春。いずれにしても、5年先、10年先を考えながらのブナの森ガーデンの実現となります。まだまだ先は長いです。

 

 

ではまた。

京北のガーデンにて

小田木 一富