ガーデン便り

2021-08-05 12:41:00

2021年8月5日 7月のガーデン便り「夏がやってきました」

7月のガーデン便りです。

  

717日の梅雨明けから、この京北の地にも、本格的な暑さが到来しました。ただ、この場所は、京都市街地の気温より、だいたい3低いのです。京都市内で36の最高気温であれば、ここでの最高気温は33ぐらいとなります。少しましですね。それでも、暑いものは暑い。外での作業はこたえます。

  

熱中症が怖いので、1時間ぐらいですぐに建物に避難して、水分を補給し休憩します。全身、汗びっしょりです。建物には、冷房はまだありません。けれど、白いガルバリウム鋼板で覆い、断熱材を下に敷き詰めた屋根は、断熱効果は抜群です。建物内は外気より暑くはなりません。扇風機で、何とかしのいでいます。

  

心配していたイノシシの襲来は、今年はありませんでした。梅雨明け後はこれまでも侵入はありませんでしたので、何とかなったとは言えます。一旦侵入されると、それの復旧に23か月かかりますので、ほっとしています。が、油断は禁物ですので、対策は常に強化していきます。

  

雑草の勢いは全く衰えません。未開墾の場所は、刈り払い機で一気に草刈りできますが、根っこは残っていますので、3週間ぐらいでまた刈り込みが必要になります。この夏に、未開墾の面積を少しでも減らそうと、躍起になって草刈りを進めています。

  

特に西側エリヤに、芝生広場を設けようとしていますので、その部分は徹底的に刈り込みを行っています。根っこの除去は、ツルハシで行う必要がありますが、9月に芝の種まきができるように、少しずつ、根っこの除去作業を伴う開墾を進めていかなければなりません。炎天下のこの作業はなかなかしんどいものがあります。

  

芝生の空間は、ガーデンのメリハリをつけるためにどこのガーデンにもあります。また、芝生のみの単一の空間ですので、機械を使えますから手を抜くことにもつながり、人的負担は軽減されます。私の今やっているガーデン作業で、一人で面倒を見られる面積は、せいぜい300坪ぐらいでしょう。それ以上は、人員を増やさなければ無理です。花々が咲き乱れるガーデンは、広いほど楽しみが増えますが、同時に人件費が増えていきますので、ガーデンの経営を考えたとき、適切な草花の植え付け面積を決めなければなりません。そして、できる限り手を抜ける面積を増やしておく必要があります。

  

また、ガーデンの水やりは、この時期は欠かせません。月水金は、京北に来れませんので、好天が続いている場合は、水やりに時間をかけます。梅雨明け直後の一週間は、少し様子見していたのですが、たちまちカシワバアジサイが1株枯れてしまいました。他にもヤマモミジが1株、紅葉したかと思ったらあっという間に葉が枯れてしまいました。梅雨明け後、水やりしなかったのが原因でしょう。路地に植えた植物とはいえ、場所によっては地面が異常に乾ききっていましたので、注意しなければなりません。夕方4時頃から水やりを始め、6時頃までかけて植物を植えてある面積をくまなく水やりしていきます。

散水は井戸水をポンプでくみ上げ、ホース散水を行っていますので水道代は気にする必要はありませんが、それでも時間がかかります。まあ、このガーデンの開墾を始めたときの1年目の夏は、井戸も水道もなく、横を流れる小川からジョウロで水をすくっていましたから、その重労働に比べたら作業は雲泥の差ですが。

  

ガーデナーは常に植物の声を聴かなければなりません。朝一番にやることは、ガーデンをくまなく巡回して見て回ることです。それでも、雑草の勢いに隠れてしまった植物の声を聴けずに、枯らしてしまうことはたびたびあります。まだまだですね。6月にマメコガネに丸坊主にされたシラカバは、見事に若葉を復活させました。このシラカバは、生きようとする力が強い株だったのだと思います。

 

ガーデンでは夕方になると、ヒグラシの大合唱が始まります。一匹のヒグラシがカナカナカナと鳴き始めると、それに応えるように、あちこちからカナカナカナが聞こえてきます。京都市内では日中、シャアシャアシャアと鳴くクマゼミがうるさくてかなわないのですが、京北にはクマゼミはほとんどいません。夏に真っ先に鳴き始めるのはニイニイゼミ、そしてヒグラシ、アブラゼミです。そして夏の後半にはミンミンゼミが泣き始めます。今年は729日にミンミンゼミの第一声を聞きました。ミーンミーンという声をきくと、なんだかうれしくなります。夕方のヒグラシのカナカナカナの大合唱とともに、私はしばし暑さを忘れて聞き入ってしまいます。

 

夏の花の主役にしようと植えたクレオメが咲き始めましたが、少し残念なことがわかりました。蝶が舞うように開くクレオメの花は、太陽光が強くなると、花びらがクルクルと巻いてしぼんでしまうのです。太陽光が弱ければ開いています。私は2019年の7月にガーデンミュージアム比叡を訪れたとき、このクレオメがあちこちに植えられているのを見ました。これはいい花だなと思い、今回50株近くの苗を種から育てて植え付けてみましたが、そういえば比叡山に行った当日は頂上がガスに覆われていて、霧雨模様でした。このため、クレオメが見事に咲いていたのですね。夏の花の主役には、クレオメは無理です。やはり、エキナセアやヘリアンサスレモンクィーンに頼らざるを得ないようです。ガーデンを訪れる人が、さまざまな花に巡り合えるようにあれこれと考えるのも、ガーデナーの仕事です。

2021.07.24_クレオメ_P1020173_s.jpg クレオメ

2021.08.01_ヘリアンサス レモンクィーン_P1020232_s.jpg ヘリアンサスレモンクィーン

2021.07.13_カンパニュラ ラクティフローラ_P1020100_s.jpg カンパニュララクティフローラ

 

ではまた。

京北のガーデンにて

小田木 一富