ガーデン便り

2022-04-05 12:47:00

2022年4月5日 3月のガーデン便り「ヒノキの伐採」

2022年4月5日

3月のガーデン便りです。

 

春がやってきました。1月のガーデン便りで紹介したジョウビタキは、3月に入るとまったく姿を見せなくなりました。渡り鳥ですので、どこかへ旅立っていったのだと思います。4月に入ってウグイスの第一声を聞きました。ホーホケキョといい声で鳴いています。ガーデンにはあちこちでツクシが顔を出しています。ツクシはよいのですが、そのあとはスギナがわんさかと生えてくるので、いよいよ雑草との戦いが始まります。

 

ガーデンの花は、3月後半から、少しずつ咲きだします。梅が花を開き、スイセンが咲き始めます。かみさんが下鴨の家のベランダで育てた、たくさんのビオラを、ユリの球根を植え付けた間に植えました。まだ早春の時期で花が少ないだけに助かる植物です。ユリが大きくなるまでの間、彩りをもたらしてくれます。フリチラリアの一種であるバイモユリが咲き始めています。地味な花ですが、ほったらかしでも厳冬期を乗り越えていち早く球根から芽を出す花です。サクラは今日時点でまだ咲いていません。つぼみがかなり膨らんできましたので、今週後半から咲き始めるでしょう。

 

西側の山林の伐採は、314日から始まり、325日に完了しました。雨の日は休止となりましたので、のべ10日間の作業となりました。四辻木材からは4台の重機が山に入り、伐採しながら、重機の通り道となる林道を山肌に造っていき、奥の林道につながる工事が行われました。

 

今回は、私の要求した130本のヒノキ伐採の他、山主Yさんの山林西端の民家近くの40本のヒノキ、北隣のMさん山林100本以上のヒノキ、私の要求した伐採個所とMさん山林の間の区間の30本が追加され、合計300本以上の大がかりな伐採作業でした。伐採の様子を見ていると、まさに現代林業の最先端を行く方法で見事にヒノキが切り出され、市場に運ばれて行きました。チェーン刃の目立ての行き届いたエンジンチェーンソーで、1分程度で太いヒノキが伐採されていきます。倒れたヒノキを重機により枝葉を取り去り、4mの長さの丸太にしていく作業も、1分もかかりません。そのあとキャタピラーの搬送車に丸太を積み込み、造られた林道を通って、私のガーデンの桜並木の通り道に降りてきます。そして建物南側の一時置き場に重機で荷下ろししそこからトラックに積み込み、市場に運搬して行きました。

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もはや、重機なくしては、今の林業は成り立ちません。いかに効率よく伐採し処理するか、ということです。四辻木材からは、社長を含めて4人の方々が作業をされました。1日あたり人件費と重機費用で10万円かかるということは十分に納得できる内容でした。少し残念だったのは、Mさんの山林の下側の大小25本ほどのヒノキが伐採されずに残ってしまったことです。フジのツルが巻きついていて危険だったとのことですが、細いヒノキであれば私でも伐採できそうですので、私の所有するバッテリー式のチェーンソーでそのうち伐採のトライをしてみようと思っています。伐採の最終段階の頃、Mさんの奥さんがガーデンにやってきて、状況を確認しに来ていました。私には、山はガーデンで好きに使っていいよ、と言ってくれましたが、口頭だけでは後々問題が発生しますので、落ち着いてから、444坪の山林の買取契約をするつもりでいます。

 2022.02.26-03.27_Before After_P1030224_tri_s.jpg 上がBefore、下がAfter

伐採後の後片付けは、まだまだ時間を要します。積み重なって捨てられた山積みの枝葉の処理が、大変な作業となります。枝の太い部分は、いろいろとガーデンで使えますので、一定の長さにそろえて、保管したいと思っています。葉の部分は、細い枝とともに、現場に残し、朽ちて堆肥となるようにします。有効活用をするためには、それなりの労力がかかりますので、まず、1年以上かかるのは間違いないでしょう。ただし、今年の秋からブナなどの落葉広葉樹の植林作業を進めていきますので、それまでに、獣害対策用のフェンスで山林を囲わなければなりません。やるべきことは山積みです。ため息が出ますが、少しずつやっていくしかありません。

 

私のガーデンに隣接する、黒茶色の和風建築の家は、Sさんという70歳過ぎの染色家の方の別宅となっています。冬の間はほとんどいらっしゃいませんが、ちょうど、伐採の終わった直後から、家の周りの外周工事を甥っ子の経営する造園会社がやり始めましたので、その間、頻繁に京北に来られました。伐採の現場を実際に自分で歩いて、林道沿いに山に登り、すごく見晴らしがよいですねと、おっしゃられ、とある話をされました。

 

Sさんとは、私がガーデン開墾をやり始めて、数か月たってから、初めて挨拶を交わした仲です。奥さんと一緒に来られた時には、私はガーデンに誘い、開墾の状況、花の様子を見ていただきます。ガーデン経営がうまくいくようにと、いろいろと関連する話を、ことあるごとにされていきます。今回の話とは、息子の家族が犬を飼うことになって、ドッグランの施設に行ったことでした。なんでも、関東のある施設は、大変な人気で、いつも、来園者でいっぱいだとか。他府県ナンバーの車が朝から押し寄せ、盛況だそうです。確かに、犬というのは、散歩をさせなければストレスが溜まってしまうため、都会の飼い主は、適切なドックランの設備があれば、うわさを聞きつけ、やってくるようなのです。

 

Sさんは、新たにできた林道を使って、ドッグランをやってみてはどうか、と言います。私は最初、ちょっと戸惑いましたが、ガーデンやカフェ内に犬を入れないことにすれば、うまくいくかもしれないなと思うようになりました。リードを使うことを前提として、桜並木から山の林道に入り、尾根筋に登って、南側に下ってくるルートを、犬と一緒に散歩ができるようにすれば、自然の中、森の中での「トレッキング with  ドッグ」という新たな付加価値をガーデンに追加できる可能性はあると思います。一周の距離は400mぐらいは取れるでしょうから、口コミで犬好きが集まってくるように思います。課題はたくさん出てきますが、来園者を増やすための策としては、良いアイデアです。検討を進めていこうと思います。とにかく初年度黒字を目指すためには、できるだけの対策は進めなければなりません。

 

一方、山主のYさんは、よく、愛犬のカンチャン(柴犬に近い雑種)を連れて、散歩しながら、ガーデンにやってきます。先日、ミツバチの巣箱を置かせてほしいと言って、建物のドアのひさしのある部分の下に、巣箱を置いていきました。当然、中は空っぽです。これから、箱の中にミツバチをおびき寄せようという魂胆です。ガーデンの花が咲き始めましたので、巣箱が気になるようです。カンチャンを連れて巣箱の様子を見て花にミツバチが来ているか聞いてきます。まだ、梅の花にはミツバチは来ていないですよ、と言うと、また、様子を見に来ますと、帰っていきました。たぶん、グミの花の咲く5月になれば、かなりの数のハチがやって来ていましたので、ミツバチも巣箱に入るのではないか、と思います。犬のカンチャンには、山の周回ルートをつくったら、試走してもらおうと思っています。私は犬は飼ったことはありませんが、カンチャンには、すごく親近感がわきます。ミツバチでハチミツを集めることも興味をそそりますが、「トレッキング with ドッグ」 も一度カンチャンでテストさせてもらおうと思っています。

 

本日の気温は、12時で19、暖かくなってきました。本日中に、かみさんが家のベランダで育てたサクラソウを植え付けます。

 

 

ではまた。

京北のガーデンにて

小田木 一富