ガーデン便り
2024年12月29日 12月のガーデン便り 「新たなる決意」
12月のガーデン便りです。
この冬は雪がよくふります。12月にすでに二回積雪がありました。ただし、積雪といってもまだ10cm以下ですので、すぐに溶けてしまう量です。天気予報によると、1月になれば、さらに雪が降る気配です。まだまだやり残しているガーデンの仕事が多数ありますので、あまり雪に降ってほしくはないのですがね。
さて、11月から12月にかけて、京都商工会議所主催の創業塾が開催されましたので、私も事前に申し込んで参加しました。四日目の最終日は、創業内容をパワーポイント1枚にまとめて、各自5分間の持ち時間で説明する、プレゼン大会が開かれました。今日は、プレゼン内容を多少加筆修正し、写真を交えて以下でご説明したいと思います。
私は定年退職と同時に、2019年から京北の荒地の開墾をスタートさせました。
ここに1冊の本があります。C.W.ニコルさんの書かれた「森をつくる」という本です。
残念ながら2020年にニコルさんは79歳で亡くなられました。ニコルさんは作家であり、タレントであり、自然保護活動家で、長野黒姫に私費を投じて荒れた山林を買い、専門家の支援を得て、森の再生活動を行い、アファンの森と名づけられたその森は、ニコルさんの死後もなお、財団が引き継ぎ、今も森は生き続けています。
ニコルさんは、日本に来て、初めてブナの原生林を見たとき、その美しさに感動のあまり涙を流したそうです。
黒姫のアファンの森には、そのニコルさんの思いが受け継がれています。
私はニコルさんのように、森をつくる仕事がしたいな、と定年間近になって、思っていました。しかしながら、森をつくることで収益をどうやったら得られるのか、これが問題です。利益を生み出すことができなければ、森の維持活動ができませんし、自分自身の生活もできません。
そのような中で、とりあえず土地探しを始めました。京北の不動産屋さんを訪ねたとき、偶然に今の土地を紹介されました。ススキが生い茂る荒れた土地でしたが、屋根が朽ち果てた倉庫があり、その周囲には荒れた山林がありました。
私は、一目で、この土地を再生させて、有料のガーデンをつくろうと決意しました。ちょうどその頃、私は長野大町のラカスタナチュラルヒーリングガーデンに毎年行っていましたので、ガーデンのすばらしさは実感できるものであり、自身の感覚で、この土地の持つガーデンとしてのポテンシャルを感じ取ることができたのです。
ガーデンの開墾をスタートさせてすでに6年が経過しました。来年1月からは7年目に突入します。
ガーデンの名称は「ブナの森ガーデン」。株式会社として運用します。
事業コンセプトは、「当園を訪れるお客様が、春夏秋と咲く花々、森の雰囲気を、見て、歩いて、感じて、楽しむことにより、発見と喜び、安らぎと癒しの場を提供する」としました。
主なターゲットは、中高年層、皆さん花を見るのはいいねと言ってくれます。花好きの女性ももちろんターゲットです。
建物内でカフェ「森のカフェ」を準備します。
客層を増やすため、山のエリアに限定して、犬と散歩ができるようにします。もちろんリードをつけることが条件です。
ガーデンは、北大路烏丸の交差点から、37km、車で1時間のところにあります。道路の状況もよく、すべて2車線道路です。山間の地方へ行くと、道路状況が悪いところが結構あり、車一台しか通れない国道などもありますが、ここは違います。
ガーデンの広さはガーデンエリアが750坪、山のエリアが700坪、さらに駐車場として15台分の用地確保を進めています。また、将来に備え、ガーデンの近くに観光バスの駐車場所を確保する段取りをつけています。
当ガーデンのセールスポイントの一つは、ミズバショウです。京都府下でミズバショウを見ることができるのはここだけです。
また、山のエリアに高さ数メートルのハイジのブランコ、ガーデンエリアにハンモックチェア、を設置し、のんびりと楽しめるガーデンを目指します。
さらに、当ガーデンの売りとして、借景の森づくりを進めています。2022年にヒノキなどの針葉樹400本を伐採し、代わりにヤマザクラ、ブナ、ミズナラ、トチ、ホウなどの落葉広葉樹の苗の植樹を行っています。苗木が成長するのは10年、20年と時間がかかります。私が90歳のおじいになる頃、きっとすばらしい森となっていることと思います。
最後に、京北は限界集落です。人口の50%以上が65歳以上の集落です。若者の働く場所が極めて少なく、都市部へ流出してしまうことにつながっています。私は微力ながら、当ガーデンで若い人たちを採用し、いっしょに汗をかきながら、京北地域の活性化に寄与したいと考えています。創業し、若い人を育て、事業を継承する、それが私の役割であると思っています。
以上が、プレゼンの内容です。
さて、この内容をオープンまでに準備するためには、越えなければならない課題が山積みです。昨年末には2025年4月にはオープンさせたいと考えていましたが、現段階では不可能な状況です。オープンを待っている皆さんには大変申し訳ありません。オープン目標を再び変更します。2026年4月、ミズバショウの開花とともに、ガーデンをオープンします。
ガーデンの完成度は多分、まだまだ不十分の状態でしょう。求めている人材が確保できるのかもわかりません。それでも、ガーデンをオープンし、訪れるお客様からいただく入園料で、また翌年のガーデンを充実させていきたいと考えています。走りながら考える、そのやり方をとっていこうと考えています。
では、12月の開花状況をお話ししたいと思います。冬ですので、咲いている花はほとんどありません。サザンカは12月前半までは良く咲き続けていました。今日現在は、雪にやられて、ほとんど咲いていません。
紅葉も12月上旬で終了しました。
その他、一部のバラ、一部のブッドレア、などが咲きました。
ブッドレアはなぜか黄色のみが咲き続けていました。寒さに強いのでしょう。
山のエリアの道で、冬に咲くノアザミを見つけました。
ガーデンのサンシュユに一粒だけ赤い実が残っていました。
ほんのわずか、ルドベキアタカオの花が真冬にもかかわらず残っていました。大したものです。
本日12時00分の気温は4.3℃、天気は曇りです。 今日の午後は、苗の植え付け場所の準備作業をするつもりです。本日はガーデンの仕事納めです。早めに切り上げて、帰りに修学院の和菓子屋さんに寄って、正月用のあん餅を買う予定です。
ではまた。
ブナの森ガーデンにて
小田木 一富