ガーデン便り

2024-12-01 12:21:00

2024年12月1日 11月のガーデン便り 「晩秋から冬へ」

11月のガーデン便りです。 

このところ京北はかなり冷え込んできました。朝晩は5以下まで下がっており、11月の前半で一度霜が降りました。霜が降りると、真っ先にやられるのが霜に敏感な植物たちです。アゲラタムなどはてきめんです。すぐさま葉がやられてしまい、一部が枯れた状態になってしまいました。今年はアゲラタムの種まきが遅れてしまったため、結局、満開までには至らず、ちらほら咲きで終わってしまうなと思っていた矢先、月末にまた霜が降り、アゲラタムはほぼ全滅、他にも、ダリア、アメジストセージ、ボタンクサギ、ジンジャーリリーなどの葉が霜にやられてしまいました。いよいよ冬の到来です。

2024.11.12_アゲラタム_IMG_2115_s.jpg 11月12日撮影 アゲラタム

今年の紅葉は910月の暑さのせいでかなり遅れています。ガーデンのヤマモミジの日当たりの良い場所にあるものはすでに色づいているのですが、ナンキンハゼに光を遮られていたヤマモミジは、ナンキンハゼの落葉とともにやっと色づき始めました。紅葉には太陽の光が必要です。日陰の状態ではきれいに紅葉しません。背丈の高い木の落葉によって、その木によって日陰となっていた場所に太陽光が差し込み、色づきが始まるのです。

2024.11.19_ナンキンハゼ_IMG_2220_s.jpg 11月19日撮影 ナンキンハゼの紅葉

ガーデンで最も年長のブナの木の葉っぱは、11月末で鮮やかな黄色に変わりました。感覚としては、2週間以上、ブナの紅葉が遅れているように思います。

2024.11.26_ブナの紅葉_IMG_2344_s.jpg 11月26日撮影 ブナの紅葉

借景の山の落葉広葉樹たちも、徐々に色を変えていき、最後は落葉していきます。皆さんは落葉の音を聞いたことはありますか? カサカサ、カサカサ、と、あちこちから落ち葉の落ちる音が聞こえるのです。不思議な感じがします。秋の虫の声はとっくに絶えています。カサカサ、カサカサ、と落ち葉の落ちる音が聞こえるのみ。時折、ガーデンを飛び回っているジョウビタキなどの野鳥のさえずりが、落ち葉の音に重なります。晩秋の森の音です。

2024.11.19_秋のガーデン_IMG_2225_s.jpg 11月19日撮影 晩秋のガーデン

2024.11.21_秋のガーデン_IMG_2279_s.jpg 11月21日撮影 晩秋のガーデン

2024.11.21_秋のガーデン建物と借景_IMG_2320_s.jpg 11月21日撮影 晩秋の借景とガーデン建物

2024.11.21_山のエリアから見る_IMG_2328_s.jpg 11月21日撮影 山のエリアからガーデンを見る

さて、鹿の侵入の件ですが、1156日の侵入を最後に、何とか落ち着きました。最後の侵入は、ガーデン北側の1.5mの高さの防獣フェンスを乗り越えて、敵は侵入してきました。北側はSIさんの別宅がある土地です。その境界のパイプとメッシュ金網を使った防獣柵と、ガーデン側の防獣フェンスとの間に、人ひとりがやっと通れるぐらいの幅のメンテナンス用通り道を作ってあるのですが、鹿のジャンプの助走距離が取れないため、こちら側からの鹿の侵入はないだろうと予測していたのです。

ところが敵は、こちらの油断をあざむくかのように、SIさんの敷地の柵を簡単に乗り越え、助走をせずに当方の1.5mのフェンスを飛び越えて、まんまとガーデン内に侵入してきました。今回の鹿は相当頭の良い鹿であることは、間違いありません。

侵入した鹿は、やっと前回の食害から回復してきたニッコウキスゲの葉を食べ、さらにギボウシ2株を見つけてその葉っぱを食べ、ガーデンの歩道にフンをして去って行ったのです。ただちに対策を行いました。高さ2mの位置と20cm下げた1.8mの位置に2本のロープを張り、鹿のジャンプによるフェンス乗り越えが簡単にできないようにしました。緊急対策であったため、支柱は園芸用のプラスチック支柱です。いずれ、鉄のイレクターパイプに変えるつもりです。対策後、今のところ鹿の侵入はありません。ただし、これから冬を迎え、鹿の食べ物はどんどん少なくなっていきます。敵は空腹に耐えきれず、また、ガーデンへの侵入を試みるに違いありません。

 

ところで、今秋もブナの種子を収集する必要から、10月中旬、いつもの朽木生杉(おいすぎ)のブナ原生林に行ってきました。今年の猛暑がすさまじかったため、多分、ブナの結実はないだろうなと思って行ってみたのですが、案の定、今年も大凶作でした。ブナの実はこの3年間、全く結実していません。苗づくりはあきらめるしかないか、と考えていましたが、なんと、北海道からブナの種子を偶然入手することができました。

早速、ブナの播種(はしゅ)を行いました。以前の経験では、冬の間にノネズミに種子を掘り起こされて食べられてしまい、発芽率が極端に下がっていましたので、今回は、ポットまきとし、トレイ全体を不織布で覆い、ネズミ対策に備えました。あとは、冬を乗り越えて4月の発芽を待つだけです。218粒のブナの実から、果たしてどれだけ発芽するのか、4月のお楽しみです。

2024.11.28_ブナの播種状態_IMG_2358_s.jpg 11月28日撮影 ブナの播種状態

 

では、11月の開花状況をお話ししたいと思います。晩秋となり、花の数は大変少なくなりました。  11月はサザンカが良く咲きました。今日現在もまだ咲いていますが、多少、霜にやられた感じはします。

2024.11.05_サザンカ 丁字車IMG_1970_s.jpg 11月5日撮影 サザンカ 丁字車

2024.11.07_サザンカ ピンク_IMG_2012_s.jpg 11月7日撮影 サザンカ ピンク

2024.11.07_今川絞り_IMG_2015_s.jpg 11月7日撮影 サザンカ 今川絞り

2024.11.19_サザンカ(品種不明)_IMG_2248_s.jpg 11月19日撮影 サザンカ(品種不明)

2024.11.21_サザンカ 有希IMG_2307_s.jpg 11月21日撮影 サザンカ 有希

2024.11.21_サザンカ ハシモトシボリ_IMG_2315_s.jpg 11月21日撮影 サザンカ ハシモトシボリ

秋バラは、大半は鹿につぼみや葉を食べられてしまいましたが、アプリコットキャンディが一輪、見事に咲いてくれました。ツルバラ芽衣は、秋は基本的には咲きませんが、こちらも一輪、咲いてくれました。 

2024.11.12_バラ アプリコットキャンディ_IMG_2090_s.jpg 11月12日撮影 バラ アプリコットキャンディ

2024.11.07_ツルバラ芽衣_IMG_1990_s.jpg 11月7日撮影 ツルバラ芽衣

百日草はその名の通り、夏から秋にかけてずっと咲き続けていましたが、今は霜にやられて、完全に枯れてしまいました。

2024.11.05_百日草_IMG_1972_s.jpg 11月5日撮影 百日草

ボタンクサギも二番花を次々と咲かせていましたが、月末の霜で完全に葉が枯れてしまいました。

2024.11.14_ボタンクサギ_IMG_2174_s.jpg 11月14日撮影 ボタンクサギの二番花

ノギクの仲間のノコンギクは11月になっても良く咲き続けましたが、もう終わりですね。

2024.11.10_ノコンギク 桃色_IMG_2082_s.jpg 11月10日撮影 ノコンギク 桃色

2024.11.19_ノコンギク 紫色_IMG_2230_s.jpg 11月19日撮影 ノコンギク 紫色

キクは2種がまだ咲いています。

2024.11.12_キク_IMG_2111_s.jpg 11月12日撮影 キク 橙色

2024.11.12_キク_IMG_2118_s.jpg 11月12日撮影 キク 紫色

 ニシキギはその名の通り鮮やかに紅葉しました。 

2024.11.17_ニシキギ_IMG_2211_s.jpg 11月17日撮影 ニシキギ

本日1200分の気温は10.2、天気は晴れです。 今日の午後は、まだ植え付けできていない苗の植え付け場所の準備作業をするつもりです。順番待ちで長く待たされている苗が早く植えてよと催促しています。鹿対策に時間を取られすぎたので、苗の植え付けは12月いっぱいかかるでしょうね。

 

ではまた。

ブナの森ガーデンにて

小田木 一富