ガーデン便り

2024-11-02 13:39:00

2024年11月2日 10月のガーデン便り 「鹿の猛襲」

10月のガーデン便りです。 

 

今日は朝から雨です。ガーデンに来ても外での作業はほとんどできません。休みにしても良かったのですが、実は、この1か月、連日鹿の猛襲に会い、ガーデンに鹿が侵入していないかの確認が必要なため、ガーデンに来ざるを得ないのです。

 

8月末に山のエリアから始まった鹿の侵入ですが、9月末に行ったネットの追加で、一定の成果はありました。ガーデンには開墾スタートの際、高さ1.5mの防獣フェンスを周囲に張り巡らしました。この5年間この高さのフェンスだけで鹿はガーデンに侵入しませんでした。ただし、京北土木事務所の里道の工事などで、南側のフェンスの区域で1.5mの高さが相対的に低くなってしまった箇所があり、その部分を含め2m以上に高さにネットを追加施工し、まあ、これで大丈夫だろうとたかをくくっていました。

ところが敵もさるもの。ジャンプができることを学習した若い鹿の一頭が、柵越えジャンプを試み、2mの高さの支柱を自分の体重で折ることを学習してしまったのです。ジャンプして自分の足をネットに引っ掛け、自分が落下するときに体重が支柱にかかりますので、支柱はあっけなく折れてしまいます。その後で、ネットの高さが低くなった場所を再びジャンプし、鹿はまんまとガーデンに侵入してきました。

2024.10.14_シカ被害_折れた支柱_IMG_1533_s.jpg 10月14日撮影 鹿によって折られた支柱

鹿に食べられた植物を調査し、鹿が好む植物が把握できました。ニッコウキスゲなどキスゲ(ヘメロカリス)の仲間、サクラ、バラ、ギボウシ、タイタンビカス、モミジアオイなどは、好みのようです。アメリカテマリシモツケも食われました。

2024.10.10_シカ被害_ニッコウキスゲ_IMG_1324_s.jpg  10月10日撮影 鹿食害に会ったニッコウキスゲ

2024.10.10_シカ被害_枝を折られたサクラ_1321_s.jpg 10月10日撮影 鹿によって枝を折られたサクラ

最初に使用した支柱は、園芸用のプラスチックの支柱でした。支柱は、0.2mmぐらいの薄い鉄のパイプを芯にしてプラスチック樹脂で被覆したものです。野菜とかを支えるには十分な強度がありますが、鹿の体重がかかればひとたまりもありません。 これでは全くダメですので、プラスチックパイプを鉄パイプに変更していきました。

使用したのは矢崎のイレクターパイプです。鉄パイプの外側にプラスチックを被覆してあり、直径は28mmあります。強度は十分です。ただし、コストは園芸用支柱に対して2倍以上かかります。やらざるを得ないのが痛いですね。脆弱性の高い箇所から順次支柱をイレクターパイプに変更していきました。

すべての支柱を一度に交換できればよいのですが、交換の時間もかかりますし、資材の調達も一度にはできません。ホームセンターでイレクターパイプを買うのですが、たくさんのパイプが棚にあるわけでもなく、すぐに品切れ、次の入荷まで待たねばなりません。

ということで、本日現在、南側の防獣ネットの支柱はほぼイレクターに変更できましたが、北西側はまだ未着手です。脆弱な箇所は残っています。

支柱の交換を行っている最中、敵は再び、残っているプラスチック支柱の箇所をめざしてジャンプを試み、支柱を折り、ガーデン内に侵入します。そして、自分の好みの植物を見つけるとそれを食べて、短時間でガーデンから脱出します。これは残されていたふんがほとんどないため、滞在時間は短時間だろうと推定したものです。また、侵入の時間帯ですが、おそらく日中の夕方ではないかと思います。なぜかというと、夜遅くになってしまうと、暗闇の中でネットが良く見えないため、ネットにからんでしまう危険性が高まり脱出に時間がかかるためです。

 

私がガーデンで作業をしていると、決まって夕方に1頭の若い鹿が現れます。毎日の偵察ですね。隙あれば、ガーデンに侵入しようと考えているのでしょう。敵は人間を見ても、あまり恐れなくなってきています。私が支柱の入れ替え作業をしていた時、視線を感じましたのでそちらを見ると一頭の鹿が私の方をじっと見ていました。多少威嚇しても、すぐには逃げません。追っかけていくと、やっとすたこらサッサと逃げていきます。

 

ガーデンのエントランスには、防獣フェンスはありません。そのため、鹿は毎晩やって来ます。エントランスに植えたドイツトウヒ、コニファーブルーアイスは、今まで鹿は全く食べませんでした。ところが鹿が増えすぎて食べ物がなくなってきているのでしょう。ドイツトウヒとブルーアイスの葉ではなく幹の皮をはいで食べていきました。これは、たまりません。幹の周囲のすべての皮をはがされると植物は枯れてしまいます。すぐに幹の周りを金網で覆いました。

エントランスゾーンは鹿のふんだらけです。鹿のお気に入りの場所となっているようで、滞在時間が長いのでしょうね。 鹿との攻防戦はまだまだ続きます。防獣フェンスや防獣ネットは、これで完璧というところにはなかなか至りません。今は、見てくれは二の次とし、とにかくもガーデンでの鹿の被害を最小限にするしかありません。

 

日本列島全体でも、鹿は大幅に増加しているため、各地でその被害の状況が、ときどきニュースで流れます。国や各自治体は、施策として鹿対策にもっと本腰で乗り出してほしいものです。このままの状況が続くと、日本の森林資源、農産物がどんどん鹿の食べ物となっていくだけです。

 

では、10月の開花状況をお話ししたいと思います。 

コルチカムは秋に咲く花です。高さは15cmぐらいしかありません。植えてある場所にクラウンベッチのつるが浸食してきましたが、何とか今年も咲きました。冬の間に、別の場所に植え替える予定です。 

2024.10.06_コルチカム_IMG_1268_s.jpg 10月6日撮影 コルチカム

秋バラは本来はもっと咲く予定でしたが、大半は鹿につぼみや葉を食べられてしまい、写真のものが今年の状況です。来年に向けて、手入れをしなければなりません。

2024.10.06_ツルバラバレリーナ_IMG_1298_s.jpg 10月6日撮影 ツルバラバレリーナ

2024.10.12_バラ アプリコットキャンディ_IMG_1441_s.jpg 10月12日撮影 バラ アプリコットキャンディ

2024.10.22_シュワブローズクラリス_IMG_1687_s.jpg 10月22日撮影 シュワブローズクラリス

2024.10.22_バラ ストロベリーアイス_IMG_1685_s.jpg  10月22日撮影 バラ ストロベリーアイス

キスゲの仲間は、今年はじめて二番花を秋に咲かせました。咲いたのはニッコウキスゲ、ムサシノキスゲ、ヒメキスゲです。ただし、ニッコウキスゲ、ムサシノキスゲは鹿の侵入による食害に会い、見る影もありません。

2024.10.06_ニッコウキスゲ二番花_IMG_1262_s.jpg 10月6日撮影 ニッコウキスゲの二番花

2024.10.27_ヒメキスゲ_IMG_1814_s.jpg 10月27日撮影 ヒメキスゲの二番花

シュウメイギクは桃色と白色が咲きました。もう少し株を増やしたいですね。

2024.10.12_シュウメイギク桃色_IMG_1445_s.jpg 10月12日撮影 シュウメイギク桃色

2024.10.20_シュウメイギク白色_IMG_1592_s.jpg 10月20日撮影 シュウメイギク白色

タイタンビカスは鹿の食害に会いましたが、鹿が見逃したものが咲きました。こちらは、夏の花ですので、もうおしまいです。

2024.10.12_タイタンビカス白_シカ被害を免れた_IMG_1418_s.jpg 10月12日撮影 タイタンビカス白色

2024.10.22_タイタンビカス桃色_IMG_1703_s.jpg 10月22日撮影 タイタンビカス桃色

キクイモはほっておくと高さが2m以上になります。今年は背丈を抑えるため頻繁に剪定を繰り返したので、花はほとんど咲きませんでした。イモは食用となります。

2024.10.13_キクイモ_IMG_1510_s.jpg 10月13日撮影 キクイモ

クレオメはまだ咲いています。夏と違って、秋のやわらかな日差しとなり、花が日照ですぐにしぼんでしまうことはなくなりました。

2024.10.17_クレオメ_IMG_1553_s.jpg 10月17日撮影 クレオメ

センニチコウの一種であるゴンフレナラブラブラブは霜が降りるまで咲き続けます。外で越冬できないので、一年草扱いとするか、あるいは今年も室内での越冬を試みるかですね。ちなみに去年は室内での越冬は失敗しました。

2024.10.17_ゴンフレナラブラブラブ_IMG_1555_s.jpg 10月17日撮影 ゴンフレナラブラブラブ

ブッドレアは真夏の暑い時期は花数が減りましたが、秋になって、また、花が良く咲くようになりました。

2024.10.20_ブッドレア黄色_IMG_1620_s.jpg 10月20日撮影 ブッドレア黄色

2024.10.22_ブッドレア桃色_IMG_1700_s.jpg 10月22日撮影 ブッドレア桃色

2024.10.22_ブッドレア白色_IMG_1676_s.jpg 10月22日撮影 ブッドレア白色

リコリスオーレアはヒガンバナの仲間です。私は植えた場所を忘れていましたが、雑草が生い茂る中、1本の黄色のリコリスが咲いているのを見つけ、あわてて写真を撮りました。今年、別の場所にも買った球根を植え付けましたので、来年が楽しみです。

2024.10.20_リコリスオーレア_IMG_1647_s.jpg 10月20日撮影 リコリスオーレア

ダリア類は、ガッツァリアの桃色と白色が元気に咲いています。ダリアは霜が降りると一気に枯れてしまいますので、その後で根っこを掘り起こして、越冬させなければなりません。

2024.10.22_皇帝ダリアハイブリッドガッツァリア_IMG_1666_s.jpg 10月22日撮影 皇帝ダリアハイブリッドガッツァリア桃色

2024.10.22_皇帝ダリアハイブリッドガッツァリア_IMG_1664_s.jpg 10月22日撮影 皇帝ダリアハイブリッドガッツァリア白色

2024.10.27_ダリア_IMG_1860_s.jpg 10月27日撮影 ダリア(品種不明)

野菊の仲間は、自生種であるヨメナが2種、ノコンギクが2種咲いています。ヨメナは勝手にあちこち生えてきますが、宿根草を植え付ける場所以外はそのまま残していますので、ガーデンの秋の彩りとなっています。

2024.10.20_ヨメナ薄紫色_IMG_1593_s.jpg 10月20日撮影 ヨメナ薄紫色

2024.10.27_ヨメナ白色_IMG_1808_s.jpg 10月27日撮影 ヨメナ白色

2024.10.31_ノコンギク紫色_IMG_1888_s.jpg 10月31日撮影 ノコンギク紫色

2024.10.31_ノコンギク桃色_IMG_1880_s.jpg 10月31日撮影 ノコンギク桃色

サザンカは今が最盛期ですね。いろいろと咲いていますが、草取りができていないので、木が草に埋もれています。

2024.10.24_サザンカ_IMG_1724_s.jpg 10月24日撮影 サザンカ白色

2024.10.27_サザンカ_今川絞り_IMG_1798_s.jpg 10月27日撮影 サザンカ 今川絞り

アゲラタムは一年草ですが種まきが遅かったため、いまだに全面開花となっていません。これも霜が降りると枯れてしまいます。

2024.10.27_アゲラタム_IMG_1825_s.jpg 10月27日撮影 アゲラタム

その他、ワレモコウ、ハギ、オトコエシ、ジンジャーリリー、オオケタデ、シオン、ムラサキシキブ()、ラベンダーセージ、ホトトギス、百日草、カワラナデシコ、などが開花、もしくは開花中です。  

2024.10.06_ワレモコウ_IMG_1292_s.jpg 10月6日撮影 ワレモコウ

2024.10.10_ハギ_IMG_1388_s.jpg 10月10日撮影 ハギ

2024.10.12_オトコエシ_IMG_1476_s.jpg 10月12日撮影 オトコエシ

2024.10.15_ジンジャーリリー_IMG_1542_s.jpg 10月15日撮影 ジンジャーリリー

2024.10.17_オオケタデ_IMG_1569_s.jpg 10月17日撮影 オオケタデ

2024.10.17_シオン_IMG_1551_s.jpg 10月17日撮影 シオン

2024.10.17_ムラサキシキブ_IMG_1573_s.jpg 10月17日撮影 ムラサキシキブ

2024.10.17_ラベンダーセージと蝶_IMG_1580_s.jpg 10月17日撮影 ラベンダーセージと蝶

2024.10.24_ホトトギス_IMG_1732_s.jpg 10月24日撮影 ホトトギス

2024.10.24_百日草_IMG_1758_s.jpg 10月24日撮影 百日草

2024.10.31_カワラナデシコ_IMG_1882_s.jpg 10月31日撮影 カワラナデシコ

 

本日1200分の気温は19.0、天気は雨です。

 

今、雨は土砂降りの状態が11時頃から続いています。建物の周囲が、ひどい水たまり状態となり、現在、建物内部に水がしみ出し、大変な状態となってきました。建物周囲の外構工事がまだできていないためです。ガーデン上空に、線状降水帯が居座っています。時間雨量は100mm近くになっていると思います。

今日の午後は、建物内部にたまった水をスポンジで除去する作業に追われそうです。

 

ではまた。

ブナの森ガーデンにて

小田木 一富