ガーデン便り
2024年9月1日 8月のガーデン便り 「続・酷暑」
8月のガーデン便りです。
8月は列島各地と同様、京都は猛暑日が続きました。本日9月1日は、台風10号(本日正午に熱帯低気圧となりました)が、いまだに紀伊半島南東沖をゆっくりと北上中です。本日のブナの森ガーデンは、雨風は収まっており、外での作業はできる状態です。台風の影響は大したことはありませんが、7月、8月の酷暑の被害は結構痛手でした。
枯れた樹木が結構あります。まず、エントランスゾーンに3月に移植した2m越えのコニファーブルーアイスが枯れてしまいました。3月の移植後、何とか持ちこたえていた一本なのですが、この猛暑が致命傷になりました。さらに、昨年11月に移植したドイツトウヒも枯れてしまいました。春の新芽は順調に伸びていたのですが、大変残念です。
ガーデンエリアでは、ナナカマドが枯れ、ツツジも一株が枯れました。プルーン一本も枯れました。
また、シラカバも一本枯れてしまいました。このシラカバ、暖地でも育つ品種なのですが、植えた場所が悪かったようです。春の芽吹き後、少し弱っていましたが、夏を越せませんでした。ガーデンには、あと一本シラカバが残っています。こちらは今のところ大丈夫です。
それから、問題なのは芝生広場の西洋芝、ケンタッキーブルーグラスの中で最も耐暑性の高い品種ブルーノートを昨年晩秋に種まきして、この7月までは順調に育っていましたが、猛暑日が続き、8割以上が枯れてしまいました。やはり、京都府では寒地型西洋芝の生育は難しいというのが結論です。
暖地型西洋芝に品種を変更し、再度トライします。暖地型西洋芝は寒地型と異なり冬は地表の葉が枯れてしまいますので冬に緑を保つことはできなくなりますが、耐暑性は高いとのことです。ネットで調べると「バミューダグラス・リオ」あたりがよさそうです。さっそく種まき準備にかかります。
山のエリアに昨秋植樹した苗はどうだったかというと、ブナ、ミズナラ、トチ、ホオいずれも無事に夏を越えることができました。ブナの一本は春の晴天がずっと続いていた時期に、乾燥のため一部の葉枯れが発生しましたので、苗の周囲に落ち葉や枯草を敷いてマルチングしたのが良かったようです。マルチングにより地表の温度を下げ、地中の水分の蒸発量を減らすことができます。
では、8月の開花状況をお話ししたいと思います。 まず、7月から咲き続けているフロックス、すでにピークは過ぎていますが、桃色、薄紫色、白色が咲いています。
白い蝶が群れて飛んでいるように見えるガウラ、花は夏の時期、次々と開花します。京北の162号線沿いのとある民家の庭には、白のガウラがいっぱい咲き乱れています。きっと、こぼれ種で増えていったのでしょうね。さし芽で増やせるそうですので、ちょっとトライしてみようと思います。
ボタンクサギは、7月から次々と開花しました。今日現在も咲いています。ぼちぼち終わりでしょうか。
ハナトラノオは、株分けしたものがガーデンのあちこちで咲いているのですが、困ったことに、開化し始めると花の重さで重心が上に移るためすぐに茎が倒れてしまい、見た目が今一つです。倒れないように添え木と麻ひもで支えるか、あるいは冬の宿根の時期に、根をもっと地中深く埋めてしまい、茎が地中深くから延びていくようにするか、あるいは、茎が伸びるときに剪定をして背丈を低く抑えるか、ちょっといろいろやってみようと思います。今は、とりあえずどうしようもないので、そのままにしておきます。
夏のバラは、ハマナス、アプリコットキャンディ、サイラスマーナー、ブラッシングノックアウト、アドーアロマンティカ、ストロベリーアイスなどがきれいに咲きました。ほとんど手入れはできていないのですが、お恥ずかしい限りです。
タイタンビカスは夏にふさわしい、手のひら大の派手で大きな花を付けます。白色、桃色、赤色が順次開花しています。モミジアオイは、ハイビスカスのような5枚の花びらが大輪となって咲きます。ちなみにタイタンビカスはモミジアオイとアメリカフヨウとの交配種だそうです。
北山友禅菊は、すでに開花時期を過ぎていますが、一部の場所のものはまだ花をつけている株があります。
ヘリアンサスレモンクィーンは夏のガーデンの主役です。宿根草で暑さ、寒さに強く、こぼれ種でもどんどん増えていきます。ただ、背丈が高いため、花をいっぱい咲かせると、重さで倒れる茎が続出します。それを防ぐには、背丈を抑えるように茎の成長の途中で剪定するのが効果的です。
一年草も、種から育てたものをあちこちに植えました。マリーゴールドはかみさんが育てた苗を植え付けました。
百日草はいろいろな花の色があり、ガーデンの彩りとしては重宝する花ですが、茎が分岐し始めるとどうしても上が重くなり倒れてしまいます。倒れて茎は直角に曲がって上に伸びようとします。その時、土に接触している茎の部分から根が伸びてきます。まあ、言ってみればお行儀の悪い一年草ですね。花がきれいで、長期間咲き続けるので、うまく使いこなすことを考えたいですね。
8月25日撮影 斜面を彩る百日草、マリーゴールド、ハナトラノオ
その他、ヘリオプシス、バーベナハスタータブルースパイヤー、ミソハギ、ルドベキアリトルヘンリー、ルドベキアタカオ、ヘリオプシスブリーディングハーツ、リコリス、ハイブリッド皇帝ダリアガッツァリア、ユーパトリウム、オミナエシ、サルスベリ、コスモス、センニンソウ、ムクゲ、などが開花、もしくは開花中です。
本日12時00分の気温は29℃、天気はくもりです。
午後からは、アナベルなどアジサイ類の苗の植え付けを行います。 夏の終わりを告げるミンミンゼミとツクツクボウシの鳴き声が、ガーデンの周囲のあちこちから聞こえてきます。
秋に入ると花の種類はどんどん減っていきます。
ではまた。
ブナの森ガーデンにて
小田木 一富