ガーデン便り

2024-08-06 12:19:00

2024年8月6日 7月のガーデン便り 「酷暑」

7月のガーデン便りです。

連日、京都では36を超える日々が続いており、40近くになる日もあります。まさに酷暑です。ここブナの森ガーデンでは、京都市街地に比べて3は低いので、今のところ、最高気温は35ぐらいでとどまっています。

この炎天下の中での屋外作業は、かなり注意が必要です。私の場合、1時間作業を行ったら、すぐに建物内に退避して、休憩と水分補給を30分以上取るようにしています。建物は内装工事は未着手ですので、冷房はありません。それでも外にいるよりはましです。午前中いっぱいは30以下に保たれていますし、除湿器を回しっぱなしにしていますので、湿気が少なくかなり楽です。とにかく、一人作業を行っていますので、万が一、熱中症で倒れても、誰も助けに来てくれません。これは、命にかかわります。まずは安全第一で、作業を進めています。

 

この猛暑の中、季節を感じる音はセミの声でしょう。713日にヒグラシの第一声を夕方、耳にしました。カナカナカナという鳴き声です。夕方、ガーデンが山影に覆われる頃、周囲の山からカナカナカナという鳴き声が響き渡ります。なんとも心地よいBGMでしょう。しばし、暑さを忘れて、聞き入ってしまいます。

730日、ミンミンゼミの鳴き声を今年初めて聞きました。ミーンミーンという声は、夏だなあという感じをもたらしますね。一方、以前のガーデン便りで、京北にはクマゼミはほとんどいないと断言したのですが、今年は違いました。あちらこちらでシャアシャアシャアという鳴き声が時たま聞こえるのです。京都の市街地では、朝からこのクマゼミの声が騒々しく響き、一層、暑苦しさを感じます。

京北では、ほとんどクマゼミはいないと思っていたのですが、なんででしょうね。セミは何年かを地中で過ごします。今年はたまたま、クマゼミの当たり年であるのかもしれません。まあ、シャアシャアという鳴き声は断続的にわずかに聞こえてくるだけで、それほどクマゼミの数は多くはないようですので、うるさい、と少し思うだけにしておきます。

 

では、お待たせしました。7月の開花状況をお話ししたいと思います。

まず、6月から開花が進んでいるヘメロカリスですが、2種類のヘメロカリスとノカンゾウの3種が開花しました。

2024.07.04_ヘメロカリス_P1300076_s.jpg 2024.7.4撮影 ヘメロカリス

2024.07.13_ヘメロカリス_IMG_9581_s.jpg 2024.7.13撮影 ヘメロカリス黄色

2024.07.13_ノカンゾウ_P1300194_s.jpg 2024.7.13撮影 ノカンゾウ

ユリもコオニユリ、シャンデリアリリー、スカシユリ、オニユリ、ユリオリエンタルがつぎつぎと開花しました。コオニユリとオニユリは、よく似ていますが、茎にムカゴが付いているのがオニユリです。咲く時期もコオニユリが先で、オニユリはその後から開花します。実は、このユリ、スーパーの野菜売り場でユリ根として売られていたものを植え付けたものです。産地は主に北海道、コオニユリか、オニユリかは、咲いてからのお楽しみです。

2024.07.07_コオニユリ_IMG_9491_s.jpg 2024.7.7撮影 コオニユリ

2024.07.11_シャンデリアリリー 赤_IMG_9536_s.jpg 2024.7.11撮影 シャンデリアリリー赤色

2024.07.13_スカシユリ白_IMG_9591_s.jpg 2024.7.13撮影 スカシユリ白色

2024.07.14_スカシユリだいだい色_IMG_9610_s.jpg 2024.7.14撮影 スカシユリだいだい色

2024.07.18_オニユリ_P1300236_s.jpg 2024.7.18撮影 オニユリ

2024.07.20_ユリ オリエンタル_IMG_9652_s.jpg 2024.7.20撮影 ユリオリエンタル

エキナセアは夏のガーデンに欠かせない植物です。今年は、昨年新たに苗を植えたグリーンツイスターという品種が、元気に咲いています。

2024.07.04_エキナセア_IMG_9356_s.jpg 2024.7.4撮影 エキナセア

2024.07.06_エキナセア グリーンツイスター_IMG_9408_s.jpg 2024.7.6撮影 エキナセアグリーンツイスター

フロックスもこの時期にはガーデンの彩りとなる植物です。桃色が先に咲き、今は白のフロックスが満開です。

2024.07.06_フロックス桃_IMG_9417_s.jpg 2024.7.6撮影 フロックス桃色

2024.07.30_フロックス白_IMG_9881_s.jpg 2024.7.30撮影 フロックス白色 

アジサイの仲間は、7月から咲いているものに加え、ノリウツギ(ピラミッドアジサイ)があちこちで咲いています。まだ植え付けていない苗が何本か放置したままとなっていますので、これも対応しなければなりません。

2024.07.07_アジサイ_IMG_9501_s.jpg 2024.7.7撮影 アジサイ

2024.07.07_アナベル_IMG_9493_s.jpg 2024.7.7撮影 アナベル

2024.07.20_ノリウツギ_P1300296_s.jpg 2024.7.20撮影 ノリウツギ

北山友禅菊は、6月下旬から開花し始めましたが、本日現在もまだ開花しています。もう、ピークは過ぎていますが、7月のガーデンの主役でした。

2024.07.23_北山友禅菊_P1300309_s.jpg 2024.7.23撮影 北山友禅菊

キョウチクトウは葉や茎など全体に毒性があり、シカが食べないので、防護柵のないエントランスゾーンに植えています。挿し木で増やしたものを4種ほど植えていますが、そのうちの1本が初めて花を付けました。暖地の植物のため、越冬が大変です。不織布で覆い、雪除けをして何とか生き延びたものが、エントランスゾーンで成長しています。株の数は半数以下になりましたが、来年以降で他の種類の開花に期待ですね。

2024.07.28_キョウチクトウ白_IMG_9849_s.jpg 2024.7.28撮影 キョウチクトウ白色

ボタンクサギは葉や茎を切るとくさい匂いがします。そのため「臭木」と漢字で書きます。地下茎でどんどん成長しますが、冬の寒さで地上の茎はこれまで枯れてしまっていました。そのため、毎年芽を出すのですが開花までには至りませんでした。ところが、今年が暖冬だったことから、地上の茎がある程度生き残り、今年初めて開花しました。ご覧の通り、花はとてもきれいです。今現在、次々と開花しています。

2024.07.30_ボタンクサギ_IMG_9878_s.jpg 2024.7.30撮影 ボタンクサギ

その他、シャスターデージー、ヘリオプシス、リシマキアファイヤークラッカー、ブッドレア、キキョウ、ギボウシ、ムクゲ、バーノニア、西洋ニンジンボク、オミナエシ、ハニーサックル、タリクトラム、アメリカフヨウ、バーベナハスタータブルースパイヤー、シュワブローズクラリス、タイタンビカス、ハマナス、ルドベキアタカオ、などが開花、もしくは開花中です。

2024.07.04_シャスターデージーP1300065_s.jpg 2024.7.4撮影 シャスターデージー

2024.07.04_ヘリオプシス ブリーディングハーツ_IMG_9351_s.jpg 2024.7.4撮影 ヘリオプシス ブリーディングハーツ

2024.07.04_ヘリオプシス_IMG_9340_s.jpg 2024.7.4撮影 ヘリオプシス

2024.07.06_リシマキア ファイヤークラッカー_IMG_9445_s.jpg 2024.7.6撮影 リシマキア ファイヤークラッカー

2024.07.07_ブッドレア_P1300174_s.jpg 2024.7.7撮影 ブッドレア

2024.07.13_キキョウ_IMG_9570_s.jpg 2024.7.13撮影 キキョウ

2024.07.18_キキョウ白_P1300259_s.jpg 2024.7.18撮影 キキョウ白色

2024.07.13_ギボウシ_IMG_9582_s.jpg 2024.7.13撮影 ギボウシ

2024.07.13_ムクゲ_IMG_9597_s.jpg 2024.7.13撮影 ムクゲ

2024.07.21_ムクゲ_IMG_9732_s.jpg 2024.7.21撮影 ムクゲ

2024.07.18_バーノニア_P1300252_s.jpg 2024.7.18撮影 バーノニア

2024.07.18_西洋ニンジンボク_P1300251_s.jpg 2024.7.18撮影 西洋ニンジンボク

2024.07.21_オミナエシ_IMG_9712_s.jpg 2024.7.21撮影 オミナエシ

2024.07.21_ハニーサックル_IMG_9701_s.jpg 2024.7.21撮影 ハニーサックル

2024.07.23_タリクトラム_IMG_9772_s.jpg 2024.7.23撮影 タリクトラム

2024.07.28_アメリカフヨウ_IMG_9821_s.jpg 2024.7.28撮影 アメリカフヨウ

2024.07.28_バーベナハスタータブルースパイヤー_P1300335_s.jpg 2024.7.28撮影 バーベナハスタータブルースパイヤー

2024.08.04_シュワブローズクラリス_IMG_0029_s.jpg 2024.8.4撮影 シュワブローズクラリス

2024.08.04_タイタンビカス_IMG_0053_s.jpg 2024.8.4撮影 タイタンビカス

2024.08.04_ハマナスの2番花_0036_s.jpg 2024.8.4撮影 ハマナスの2番花

2024.08.04_ルドベキアタカオ_IMG_0058_s.jpg 2024.8.4撮影 ルドベキアタカオ

 

81日から83日の間、北海道ガーデンの視察に行ってきました。娘が旅費を出してくれましたので、かみさんと二人で、旭川の上野ファームと富良野の風のガーデンに行ってきたのです。娘には大変感謝しています。

上野ファームでは、上野砂由紀さんのお母さんのお話を聞くことができました。マザーガーデンのエリアはお母さん専用のガーデンで、ちょうど朝の手入れ作業の最中をお邪魔して、ちょっと話をさせていただきました。当然、他にもガーデナーはいるのですが、このエリアだけはお母さん以外は手を入れないそうです。

雑草のツルは花の邪魔になるものだけを摘み取り、背丈の高い宿根草に巻き付いたツルは、あえてそのままにしているとのこと。これは、宿根草が倒れるのを防ぐためだそうです。なるほどと思いました。70代後半のお母さん、まだまだ元気でした。上野ファームの看板お母さんですね。

一方、上野砂由紀さんは、その日は来客の対応で、来客と一緒にガーデンを案内されていましたので、残念ながら話をすることはできませんでした。改築され窓の増えたナヤカフェでおいしいサンドイッチを食べ、その後、見ていないノームの庭などのエリアを回ったのち、上野ファームをあとにしました。

2024.08.02_上野ファーム_IMG_9938_s.jpg 2024.8.2撮影 上野ファームにて筆者

その日の宿は富良野の「四季の宿 KIZUNA」、今回2回目です。ご主人と奥さんの二人でやっているペンションですが、ブドウ畑を見下ろす小高い丘の上に立っており、建物の周りには宿根草がいろいろと植えられていて、よい雰囲気を醸し出しています。奥さんといろいろお話をし、楽しいひと時を過ごしました。

 

翌日は、富良野プリンスホテルが経営する風のガーデンに朝から行きました。風のガーデンは、フジテレビのドラマ「風のガーデン」を制作するために、プリンスホテルのゴルフ場をつぶして造られたガーデンです。設計は上野砂由紀さん。そのため、植えられている宿根草は、上野ファームのものと、ほぼ同じです。歩道などは、ドラマの撮影を前提に最初からしっかりと設計されていますので、歩きやすいですね。

現場で働いている若いガーデナーと話をしました。ガーデナーは現在6名体制、メインガーデンと少し離れた場所にあるバラの庭の2カ所を、シーズン中は無休で維持しなければならないため、妥当な人数だと思います。

2024.08.03_風のガーデン_IMG_0012_s.jpg 2024.8.3撮影 風のガーデン

それ以外のエリアは、雑草が繁茂した状態となっていましたが、それもまたよし。上野ファームもそうでしたが、手を抜いた場所は雑草だらけでした。ガーデンの雑草をすべて除草することはまず不可能です。メリハリをつけて、手を入れるところは手を入れ、手を抜く場所はほったらかしにする、ガーデン経営では必要なことです。

 

北海道ガーデンは、花の咲く期間が本州より短いため、花は短期間で一気に咲きます。花の数には圧倒されました。大変すばらしいものを見させていただきました。 

 

本日1200分の気温は33.5、天気は晴れです。午後からは、アゲラタムの苗の植え付けの続きを熱中症に注意しながら行います。 

 

ではまた。

ブナの森ガーデンにて

小田木 一富