ガーデン便り
2024年6月4日 5月のガーデン便り 「花々の最も美しい季節の始まり」
5月のガーデン便りです。
6月に入りいよいよ夏の季節に入ってきました。5月から6月の梅雨入り前のこの時期は、ガーデンの花々が最も美しい時期といえるでしょう。借景の緑が色の濃さを増し、それぞれの花々が開花していく様は、まさに素晴らしいというしかありません。植物たちの喜びが、ひしひしと伝わってくるようです。ただし、まだまだ完成度の低いガーデンですので、全体を見渡すと、花の数は少なく、雑草は花々の美しさを遮るように繁茂しています。750坪のガーデンエリアを工事を行いながら1人で対応するのは、所詮、無理があります。とは言え、少しずつではありますが、前年よりもガーデン自体の質は上がってきています。とにかく、前に進めるしかありません。
では、さっそく5月上旬からの開花状況をお話ししたいと思います。
5月初め、ガーデンでひときわ目立つ白い花をつけるオオデマリ、結構背丈が大きくなりました。花数も圧倒されるほどです。白いモコモコとした花が枝にたわわに咲きます。この「テマリ」と名の付く花木は他にもいくつかあります。コデマリは一つ一つの花はかなり小さく、ユキヤナギに近い感じで花を付けます。よく、民家の庭先に植えられていますので、こちらの方がなじみがあるのではないですか。
5月後半になるとヤブデマリが咲き始めます。このヤブデマリ、美山の道の駅で売られていた背丈が10cmほどの小さな苗を買ってきて植えておいたものなのですが、いつの間にか、すでに私の背丈より大きくなっています。こちらの花は、ガクアジサイのような感じで花を付けます。
アメリカテマリシモツケは、葉の色が紫です。花はコデマリによく似ています。株が育ち、今年初めて花を付けました。
5月末にガマズミの花が咲きました。葉はヤブデマリによく似ていますが、花は小粒です。秋には赤い実をつけます。
キスゲ(ヘメロカリス)の仲間は、まずムサシノキスゲが真っ先に開花しました。ほぼ同じ時期に背丈の低いヒメカンゾウも開花しました。
5月後半からは、ニッコウキスゲが開花して、今、真っ盛りの状況です。ニッコウキスゲは背丈が高いですね。今年は暖冬だったため、このニッコウキスゲは葉が枯れずに越冬しました。なぜかはよくわかりません。キスゲの仲間は大半が冬は地上部は枯れて根っこだけで越冬するのですがね。6月からは、いろいろなヘメロカリスが咲き始めますので、これからのお楽しみです。
カリカンサスはロウバイの仲間です。ワインレッドの不思議な花を咲かせます。ホームセンターで見つけて植えたものですが、まだ、大きく成長はしていません。何とか毎年花を咲かせていますので、これからの成長に期待しましょう。
フランスギクはマーガレットに似た花をつける多年草です。ギザギザとした葉っぱを見れば、マーガレットとは全く違うことがわかります。この花、繁殖力が旺盛で、京北の道路わきや田んぼのあぜでよく咲いています。ブナの森ガーデンに咲くフランスギクは、京北の川の土手から採取した苗が、ガーデン内で増えたものです。5月初めから6月初旬まで咲き続けますので、ガーデンの春の花としては見栄えが良く、使い勝手の良い花ですね。
黄色の花をつけるセンダイハギは4月下旬から咲き始め、5月中旬に花は終了します。5月下旬からはムラサキセンダイハギが開花し、今現在も咲いています。黄色のセンダイハギとは植物分類上、別属とのことです。花はルピナスによく似ています。
モッコウバラをアーチ状にしてトンネルのようになったのですが、今年はまだ花つきが悪いですね。京都市内の各所の民家の庭先で見るモッコウバラはぎっしりと花をつけています。来年に期待ですね。
エントランスゾーンに植えたニセアカシアの木、今年は昨年よりも花の数が増えました。去年、シカに幹の皮を一部はがされてしまいましたので、今は防護ネットを幹に巻いています。これにより、シカは幹の皮を食べることができなくなりました。
ハクロニシキはヤナギの一種です。北海道の「風のガーデン」に点在するように植え付けられていたものが、大変美しかったので、苗を購入して植えたものです。今は当ガーデンのあちこちで、春の白い葉っぱをそよがせています。ガーデンの彩りとして、大変役立っています。
ジギタリス、デルフィニウム、キンギョソウ、オルレア、バーバスカムは、ガーデンの春の花としては重要で欠くことのできない花ですね。
バラは、相変わらず手入れが行き届いていません。ですので、なかなか、きれいな花をたくさんつけるというところまでは至っていません。その中で、ストロベリーアイスは毎年、よく花をつけてくれます。
ラベンダーには、大きく分けてイングリッシュラベンダーとフレンチラベンダーの2つの種類があります。当ガーデンではフレンチラベンダーの方がよく育っています。今年も花をつけてくれました。イングリッシュラベンダーの大株、かみさんが家のベランダで育てていたものを、ガーデンに植えこみました。果たして夏を越せるかどうかですね。様子を見守ります。
アリウムギガンチウムは、水やりを欠かさずに、さらに多肥にしないと、葉っぱが枯れてしまいます。今年はというと、昨年の反省をもとに連作障害を避けるため、前年とは異なる場所に植え付け、本日現在、紫色のボールのような花を風に揺らしています。
その他、ニオイツツジ、シャクヤク、ヒペリカム、ベニウツギ、カルミナ、京カノコ、アメリカフジ、カンパニュラメディウムなどが開花、もしくは開花中です。
5月23日(木)に、かみさんと一緒に、米原のローザンベリー多和田を訪れました。ローザンベリー多和田のバラの時期の入園料は2200円です。この値段に最初は驚きました。日本全国のガーデンの入園料で、この金額は最も高い方であると思います。ちなみに日本で最初のイングリッシュガーデンである長野蓼科のバラクライングリッシュガーデンのフラワーショーハイシーズン料金は1600円。私が良く行く長野大町のラカスタナチュラルヒーリングガーデンは1100円、北海道旭川の上野ファームは1000円、富良野の風のガーデンも1000円です。
入園料は各ガーデンがその固定費を維持するために設定するものです。ある程度の収益がなければ、ガーデンは維持できません。ガーデンの花々がきれいに咲き乱れることができるのは、その裏方さんであるガーデナーたちの努力のたまものなのです。ですので、ガーデンにみなさんが行ったとき、ちょっと高いとか思われることもあるとは思いますが、ガーデンで働く人々へのお礼として入園料を支払ってはどうでしょうか。そう思えば、自分の支払った入園料で、そのガーデンが維持されることになりますので、また、いつか来ようという気になってくると思いませんか。
ローザンベリー多和田は、ガーデンの他、ひつじのショーンなどの版権ものの展示、園内ミニ鉄道の運行、ひつじの放牧などを行っていることもあり、固定費が増加しているものと思われます。2200円を高いと思うか、適切と思うかですが、見事に手入れされたバラを見たら、私は来てよかったと思いました。バラはあちこちで美しく咲き乱れていました。さすがですね。バラのシーズンであれば、2200円の価値はあると思ったしだいです。
6月1日(木)、かみさんにブナの森ガーデンへ来てもらいました。かみさんが種まきしたコスモスの苗を植え付けるためです。かみさんが来たのは久しぶりです。かみさんが育てたヴィオラが、ガーデンの斜面できれいに咲いているのを見てもらい、満足しているみたいでした。
この斜面だけでヴィオラの数は24株×10トレイ=240株を使用しています。それ以外の場所にも植え付けましたので合計360株ぐらいの苗を家のベランダで育てたことになります。あらためてかみさんの努力には感謝したいと思います。花のない3月に花をつけるヴィオラはガーデンには欠かせない存在になっています。
本日12時00分の気温は19.3℃、天気は曇りです。午前中は小雨がぱらついていました。午後からは、冬の間、箱詰め保管していたダリアの球根を植え付けます。ほったらかしになっており本来はもっとはやく植え付けるべきですが、全く時間が取れませんでした。
ではまた。
ブナの森ガーデンにて
小田木 一富